hinkon

長男の死因は低体温症で、母親は急性薬物中毒。母親の遺体を前に、食べ物もなくガスも水道も止まった部屋で、長男はどんなことを考えていたのだろうか。誰かに助けを求める気力さえ、失っていたのだろうか。
生活保護の時よりお金はあるのだけれど、少しマシなだけ。働いても、働いても、絶望しか見えてこない。
「どうか恥と思わずに生活保護を利用してください」。生活保護バッシングをした議員たちが率先して言ってくれたら。そう望むのはあまりにも愚かなことだろうか。
年末年始、多くの人が支援につながった。が、まだまだ支援団体すら知らない人が大半だ。その上、民間の「共助」はとっくに限界を迎えている。
背景には、最後のセーフティネットである生活保護の受けづらさがある。困窮者や世間の持つマイナスイメージと、自治体の「水際作戦」だ。
「困窮者が勇気を持って相談しようと思った時に相談できる場所がないのは地獄といっていい。あなたのことを気にかけているよ、と伝えたいのです」
私の2020年は、コロナ禍の困窮者支援の現場で活動し、政府や東京都などに申し入れをし、そんな現場をレポートし続けることで終わった。
でも、「死にたい」人にはたくさん言葉を発してほしいと願っている。「死にたい」の裏には、たくさんのニーズがあるからだ。
練馬区に住む夫婦と子ども2人の4人家族の場合。「若年世代にとって家族を持つことはステイタスになってしまっている」