rosujene
ロスジェネは20歳から50歳まで「失われた30年」が丸かぶりした、貧乏くじを引いた世代だ。親世代が手にしてきた就職や結婚、出産、子育てなどのすべてを手にしていない人も多くいる。私もその1人だ。
一連の闇バイト強盗は政治の無策のツケに思えて仕方ない。なぜなら、この社会は若年層のホームレス化を放置してきたからだ。その果てに今、とうとう「犯罪者化」が起きているのだ。
90年代はパワハラやセクハラは恐ろしいほど放置されていた。しかし、令和の今、それらは「加害」と紙一重のものとなっている。そんなことに戸惑っている男性は私が想像するよりおそらく膨大にいるのだろう。
石丸伸二氏ら「勝ち組ロスジェネ」。こういう人がトップになったらどうなるかは、火を見るよりも明らかだ。多くのものを「改革」と言いながらガンガン切り捨てていく姿が目に浮かぶ。
「つばさの党」の3人が逮捕。一連の騒動を見ていて思ったのは、「そりゃあ、どんなに頑張っても一定数の人は絶対に報われない社会が30年続くとこういう事態が出てくるよな」ということだ。
2050年、私は75歳。ロスジェネがとうとう後期高齢者になるわけだ。その時までに、「終活ワンストップサービス」が充実していてくれれば、みんなどれほど安心して老後を迎えられるだろう。
「もう限界なんです。お金を出してください」。東京・高円寺のコンビニで店員を脅して逮捕された男が口にした言葉だ。男は46歳。私と同世代のロスジェネだ。
ずーっと非正規でウツになった人。なんとか正社員になろうと頑張りすぎて心身を壊した人…。一方、「なんとかなった」人は、結局実家が太かったりと、「個人の努力」と無関係なところでなんとかなっている印象だ。
90年代の就職氷河期に社会に出たロスジェネが50代を迎えつつある。これから先の人生、むっちゃ不安じゃないですか? 私はと言えば、もちろん不安だらけだ。
「死刑になりたいとは思いませんし、死刑になりたくないとも思いません。生かされているうちは生きますし、殺されるときには殺されます。それだけの話です」。獄中でこの文章を書いた加藤智大は、翌年、死刑が執行された。