SCSカウンセリング研究所の皆さんと
こんにちは。米国認定音楽療法士の佐藤由美子です。
皆さんは、「引きこもり」という言葉を聞いたことがありますか?
厚生労働省は引きこもりを次のように定義しています。
仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態
引きこもりの数は、国内で70万人を超えています。これは大きな社会問題です。引きこもりで苦しんでいる人は、おそらくあなたの周りにもいるでしょう。
なぜこんなにも多くの人が引きこもりになるのでしょうか? その理由はさまざまです。
先週、お子さんが引きこもりになっているというお父さんからご相談を受けました。その子は中学1年生で、数年前にお母さんを病気で亡くして以来、学校に行かなくなったそうです。母親を亡くしたグリーフが原因で引きこもりになったのではないかと、お父さんは心配していました。(→「グリーフ Q&A」)。
また、いじめが原因で不登校や引きこもりになるケースもよくあります。
このようなご相談があったとき、私が紹介するのがSCSカウンセルング研究所です。SCSカウンセリング研究所は、引きこもりで苦しんでいる人々やそのご家族をサポートする会です。
SCSでは、引きこもりの人々の交流の場をつくったり、両親のための講座を開いたり、カウンセリングを提供したりしています。また、ご本人やご家族が外出できない場合、電話や訪問カウンセリングも行っています。
先日SCSに伺い、スタッフの皆さんと音楽療法についてお話させていただきました(→「音楽療法 Q&A」)
引きこもりの人たちは、人間関係をつくるのが難しいのが特徴です。彼らの心のケアに音楽療法を取り入れる可能性は、十分にあると思います。なぜなら、音楽には人と人をつなぐ力があるからです。言葉がなくても、音楽を使って自分の気持ちを伝えることができます。
また、引きこもりのお子さんがいるご家族には、かなりのストレスがあります。音楽療法によって、ご家族の精神的サポートをすることも可能です。
SCSの主宰者の池田佳世さんは言います。
「引きこもっている人たちは、音のない世界で過ごしている場合もあります。でも、みんな音楽は好きなんです。音楽が入ると心があたたかくなりますよね」
音楽療法が人々の心のケアのために、多くの場所で取り入れられるようになる日を願います。
音楽の本当の美しさは、人をつなぐことにある。~ロイ・エアーズ
(「佐藤由美子の音楽療法日記」より転載)
著書『ラスト・ソング 人生の最期に聴く音楽』(ポプラ社)
Facebook: Yumiko Sato Music Therapy
Twitter ID: @YumikoSatoMTBC