「幸せの国」といえば、多くの方の頭に浮かぶのは「ブータン」だと思います。
では、ブータンとフィジー、どちらの国民がより幸せを実感しているのでしょうか?
結論からいいますと、
ブータン = 国民が幸せを実感できるようになることを目指している国
フィジー = 国民がすでに幸せを実感できている国
です。
ブータンは「97%の国民が幸せ」という調査結果があるため、世界一幸せだと言われるようになりました。ただ、この調査には問題があります。
これは2005年の国勢調査の結果なんですが、「あなたは今幸せですか?」という質問項目に対して、回答の選択肢は「①とても幸せ」「②幸せ」「③あまり幸せではない」の3段階しかありませんでした。
97%の国民が①か②を選んだということです。通常、選択肢が3つの場合、真ん中に回答が集中します。
それに比べて、前回の記事で触れました「2014年12月の世界幸福度調査」でのフィジー国民の幸福度93%というのは、5段階評価の上位2つの合計です。
笑顔弾けるフィジーの子どもたち
5年に1度のブータン国勢調査。第2回目となった2010年の国勢調査では、11段階になりました。0が「とても不幸」、10が「とても幸福」という尺度です。
結果、ブータン人の平均値は「6.1」と幸福度は中程度でした。内閣府(日本)による同じく11段階の調査(2012年)によると、日本人の平均値は「6.6」だったので、ブータン人よりも日本人のほうが幸せという結果に...
まとめると、
ブータン = 国家戦略として、GNH(国民総幸福)を目標としている、非常にユニークな国
フィジー = 特に戦略はないけれども、結果として、国民が世界一幸福な国
です。
ブータンは未踏の地なので、ぜひぜひ来年には訪問し、その魅力を肌で感じてみたいと思います。