毎年恒例、ギャラップ・インターナショナルによる「Annual Global End of Year Survey」の結果が発表されました。42回目となる2018年、調査対象国は51カ国。
「あなたにとって2019年は2018年よりも、よくなる? 悪くなる? それとも同じ?」
という「希望指数」のランキングが掲載されています。国別ランキングは以下のとおり。
1位 インド(64)
2位 アルバニア(61)
3位 メキシコ(58)
4位 アルメニア(55)
5位 ガーナ(54)
6位 ジョージア(53)
6位 カザフスタン(53)
8位 南アフリカ(51)
9位 ナイジェリア(46)
10位 ベトナム(45)
16位 アメリカ(32)
26位 日本(12)
46位 フランス(-20)
48位 韓国(-30)
51位 ヨルダン(-48)
()内の数字は希望指数。
「2019年のほうが良くなる」と思う人の割合(楽観指数)から「2019年のほうが悪くなる」と思う人の割合(悲観指数)を差し引いたものが希望指数。たとえばインドの場合、楽観指数が69で悲観指数が5なので、希望指数は64(=69-5)となります。
世界平均は15。
日本の場合、希望指数は12と、平均より少し下というスコアですが、その内訳が興味深いです。
「良くなる(楽観)」は24、「悪くなる(悲観)」は12と、世界平均(それぞれ39と24)よりかなり低い数値。また、「同じくらい(41)」や「わからない(23)」は世界平均(それぞれ31と7)よりかなり高い数値。
つまり、日本人は2019年、「良くなる」とも「悪くなる」ともあまり思わず、「同じくらい」もしくは「わからない」と思う傾向が強いということです。
※ちなみに、2017年の日本の希望指数も10であり、2018年の12とほぼ変わらず。内訳の数字もほぼ同じ。
2017年の同データには、希望指数だけでなく、「幸福指数」も掲載されていました(2018年のデータには現時点では掲載なし)。
そのデータでは希望指数の上位10カ国のうち、幸福指数でも上位10カ国に入っている国が5カ国もありました。たとえば、フィジーは希望指数が世界3位で、幸福指数が世界1位。
希望指数と幸福指数には正の相関があるように感じます。
そもそも、人の幸福度というのは、現時点の評価だけではなく、「今が悪くても将来は良くなる」という希望も含まれているのではないでしょうか。
日本人の幸福度が低いと言われる理由の1つは、「未来への希望」が小さいことかもしれません。
希望指数5位のガーナは、悲観指数が12なので日本と同じです。ただ楽観指数が66と日本の約3倍。また、希望指数が8位・9位の南アフリカ・ナイジェリアは日本よりも悲観指数が高いが、楽観指数で大きく順位を上げています。
日本は「悲観指数」はすでに好スコアであり、「楽観指数」にノビシロが大きくあります。
年代別(世界全体)の楽観指数データも公表されており、以下のような結果になっています。高齢になるほど、楽観指数が下がっていますね。
(Under 18) 46
(18-24) 47
(25-34) 46
(35-44) 40
(45-54) 35
(55-64) 31
(65+) 24
日本人の楽観指数22というのは、世界平均(65歳以上)の楽観指数24よりも下ということになります。日本人の平均年齢が高いことを考慮しても、日本全体の希望感が「高齢化」している感じです。
また、日本は「2019年が自分にとって良くなるか悪くなるか、わからない」という回答が世界1位です。世界平均が7に対し、日本は3倍以上の23。ここも、楽観指数同様、大きなノビシロですね。
「明日への希望」を抱くことが日本人の幸福度をアップさせるヒントになるのかもしれません。