心の時代はななめの関係
現代社会は心の時代と言われていますが、そんな時代だからこそ
「ななめの関係」でお互いに満たし合うことが大切です。
現代の子育てや教育の現場、職場などでは、
縦と横の人間関係しかないような場面も多く見受けられます。
たとえば、
親と子ども、先生と生徒、上司と部下という縦の関係、
同級生同士だったり、同僚との横の関係。
私たちの生活の中では、こういった縦横の人間関係が
大半を占めることも多いですが、
その人を劇的に変えるような出来事は、縦横の人間関係を外れた意外な人からの
「ななめの関係」から生まれてくることも多いのです。
ある企業で、社長の一声で真夏の暑い日に
社外の清掃活動をやることになりました。
何日かして、新入社員の男性が、その社長に食ってかかりました。
「社長!こんな暑い中で毎日清掃活動なんて、
会社の評判は上がるかもしれませんけど、
僕たち従業員のやる気は下がるばかりですよ!」
その新入社員が、2週間後、ニコニコしながら缶コーヒーを1本持ってきて
社長に言いました。
「社長、みてくださいよ!この缶コーヒー、会社の前の家のおばあちゃんが
『いつも掃除をがんばってくれてありがとう』って言って僕にくれたんですよ!」
それから数年後、その新入社員は会社の外でも環境保全活動のリーダーとして
地域で活躍しているそうです。
縦横の関係ではないおばあちゃんの一言だからこそ、
人を劇的に変える力があったんですね。
「ななめの関係」を大切にして、お互いに満たしあって暖かい声を掛け合いながら
心の時代を生きて行きたいですね。
(2016年05月27日「ボトルボイス」より転載)