つい、先日のこと。友人から、「不思議なコンビニがある」という話をきいた。そのコンビニには3つレジがあるのだが、なぜかあるレジの前だけに、長い行列ができるという。

つい、先日のこと。友人から、「不思議なコンビニがある」という話をきいた。

そのコンビニには3つレジがあるのだが、なぜかあるレジの前だけに、長い行列ができるという。当然、初めて来たお客さんは、不思議そうな顔をして、他の空いてるレジに並ぶそうだ。

なぜ、そのレジだけ行列ができるのか?

実は、そのレジを担当する店員さんにヒミツがある。・・・といっても、その店員さんは、とびきりの美人でもイケメンでもない。どこにでもいるような、普通の女性だという。

ではなぜ、彼女のレジには行列ができるのか?! 友人によると、「彼女は、お客さんの顔をよく覚えている」からだという。

考えてみると、お客さんの顔すら見ずに、下を向いたまま対応する店員さんも多い。もちろんその背景には、お客さんとしても、「顔を見てるヒマがあったら、とっととレジを打ってくれ!」、という想いがあるからかもしれない。

しかし、彼女は、お客さんの顔を見ると、「あ、髪切ったんですね!ステキです!!」といった具合に、次々と会話を交わしていくのだそうだ。

そうなのだ。お客さんは、彼女と話がしたくて、長い行列を作っているのだ。

それにしてもなぜ彼女は、お客さんの顔を覚えていられるのだろうか? 友人によれば、それは、彼女がほとんど手元を見ずに、レジを打てるからだという。

レジを打つことに必死にならないから、顔を上げ、お客さんの顔を見ることができるのだ。

ある日、友人はこんな光景を見たそうだ。コンビニの外には、いつものように配送トラックがやってきた。そのトラックを見た彼女は、すばやくレジから出て、コーヒーとおにぎりを手に戻ってきた。

「一体、何をしているんだ?!」と思ったら、すぐに理由が分かった。

「おー、いつもありがとう!!」

配送トラックのおじさんが、彼女に声をかける。彼女はなんと、おじさんがいつも買う商品を、事前に準備しておいたのだった。

「いえいえ、いつもお疲れ様です!」

彼女はとびきりの笑顔で、おじさんに返事をした。

もちろん、そんなことをしている店員さんは、彼女だけだ。他の店員さんは、レジを打つのに忙しい。

それもそうだと思う。都会のど真ん中の、それもオフィス街にあるコンビニで働いているのだ。途切れることなく、次々にお客さんがやってくる。とても、お客さんの顔を見る余裕などない。

だが、彼女は違う。しっかりとお客さんの顔をみて、声をかける。だから、彼女と話がしたくて、レジには長い長い列ができる。

・・・考えてみると、私たちはいつもパソコンや携帯ばかり見て、下を向いて生活することが当たり前になった。しかし、ご紹介したコンビニ店員のように、しっかりと前をみて、一人ひとりの人との出会いを大切に生きていきたい。そう思えた話だったので、記事にさせていただきました。(><)

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