久しぶりに『ビートたけしのTVタックル』を見た。佐賀県知事時代には時々出ていた番組だ。ディレクターが一連の流れを説明するものの、事前の発言の調整など全くない。さらに言えば、たけしさんや阿川佐和子さんなどとも番組の時にしか会わず、スタジオで一緒になり番組が終わったらそこで解散、というシンプルさだった。
さて、その『TVタックル』を先日見たのは「最近の国会における審議の内容のレベルが低い」と言うテーマだったからだ。
国会においては予算委員会を始めとする委員会の場が政策論議の檜舞台。総理大臣や各大臣に対し厳しい質問が投げかけられ答弁次第によっては委員会が止まったりすると言うこともあったりする。
とは言え、予算や政策を正面から議論をすることが少なく、プライベートな部分や政治資金問題などに割かれる時間が多いのは残念に思う。
また、委員会等において、サザエさんの家族構成についてのやりとりやUFOに対して自衛隊が緊急発進したことがあるかといったことが聞かれたりしていることが番組で取り上げられていた。
与野党対立、という政治構造はもちろん否定すべきものではないけれど、政策の議論をもっとすべきではないか、とときどき感じていた。
先日、僕の所属する文部科学省委員会で文部科学省設置法の一部を改正する法律(スポーツ庁設置を内容とする法律)の審議が行われた。結果的にこの法律は全会一致で可決されたがこの法案の審議にあたってはそれぞれの政党に属する委員の方々がそれぞれの立場からスポーツ庁設置とスポーツ振興に関し質問と意見が述べられ、極めて有意義な内容だった。野党の委員の質問に対し与党側から拍手が出ることもあり、政党を超えて議論をすることの価値を感じることができた。こういう政策論議をもっとやっていけば、きっと『TVタックル』でまた同じような特集をされることはなくなるのではないだろうか。
これからTPP、農協改革、安全保障関連法制など重要な政策についての議論が続いていくことになる。委員会での活発な政策論議を心から期待したい。
(2015年4月28日「週刊yasushi」より転載)