時間差が怖い「通電火災」とは 阪神淡路大震災から学ぶ

火災の6割が通電火災だった。

写真提供:神戸市

2018年6月18日の朝、大阪北部を震源とした震度6弱の地震が発生しました。この記事は当該地震に関する注意喚起として過去記事を再編集しています。

1995年に発生した阪神淡路大震災では、古い耐震基準だった建物の倒壊、室内の家具の転倒に加え、火災の被害が目立ちました。

なぜ火災が起きたのか?それは『通電火災』が原因だったと言われます。

大地震が発生した際は、広範囲で停電が発生する可能性があります。

このときブレーカーを落とさずに外へ避難すると...。

電気が復旧した際に地震で倒れていたり、家具の下敷きになっていた電気製品が再び作動。これが火元となって起こるのが、通電火災です。

写真提供:神戸市

この通電火災の危険性が明らかになったのは、阪神淡路大震災の時でした。

原因が特定された建物火災の約6割が、通電火災だったといわれます。なお東日本大震災でも火災の過半数が電気関係の火災と言われます。

通電火災が怖いのが、時間差で発生するため発見が遅れることです。

地震発生とともに出火した場合、人が対応できるのですが、避難し無人となったあとに電気が復旧し、出火する事が多いのです。

これにより発見、消火が遅れ、揺れで散乱した室内の物に引火。あっという間に火災が拡大してしまうのです。

さらに冬場は、ヒーターやストーブなど熱源となる家電を使う時期のため、リスクが他の季節よりも高くなります。

元を断つ。電気が復旧しても、通電しないように「ブレーカー」をおとして避難すれば通電火災は防げます。

もちろん、最近の暖房器具は倒れたら起動しないような安全装置がついていたり、揺れを感知してブレーカーが自動で落ちるような器具もそろっています。

ただ、万が一のことを考え、避難時は慌てて外に出る前に、「ブレーカー」をチェックするということをこころがけてください

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