毎年5月29日は、「国連平和維持要員の国際デー」。この国際デーを記念したセレモニーが、ニューヨーク国連本部で開かれます。国連事務総長が、殉職したピースキーパーらを悼む花輪を捧げ、前年の殉職者の栄誉をたたえるメダルの贈呈式が執り行われます。
国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)ベンティウ事務所 平原弘子所長に聞く
国連広報センターは、この国際デーを記念して、南スーダンでのPKOで、北部のユニティー地方のベンティウ事務所で人々に寄り添いながら活躍する平原弘子所長をご紹介します。南スーダンは2013年12月、2011年の独立から2年あまりで紛争に逆戻りし、ようやく2016年4月に暫定政権が樹立されたばかりです。
特筆すべきは紛争が勃発して逃げ場を失った人々の命を救うための緊急手段として、国連PKOミッションが始まって以来初めて敷地のゲートを開放して「文民保護区(Protection of Civilians (PoC) Site)」とし、人々を受け入れたことです。ミッション全体でおよそ20万人の文民を各地の文民保護区で直接保護し、12万人を抱えるベンティウの文民保護区は南スーダンで最大、つまり世界最大の文民保護区です。
人々は切迫した危険から着の身着のままの状態で国連の敷地に逃げ込んできましたが、あくまでもここは駆け込み寺です。人々の帰還に向けた下地づくりが、現在国連南スーダンミッションにとっての喫緊の課題の一つとなっている。それには、安全の確保、水衛生・食糧・医療といった当座を支える人道援助、人々の生計を支える支援、法の支配、インフラ整備(フランスとベルギーをあわせた面積の国で、舗装された道路が200キロしかない)などをシームレスに行う中長期的な計画が、国連PKOと人道・開発援助機関とが一体となった連携をベースに、南スーダン政府のリーダーシップで実施されなければなりません。
この壮大な任務を、平原さんはモンゴル軍やガーナ軍のPKO部隊や国連警察、文民のスタッフなど総勢2000人以上を所長として束ねながら遂行しています。根本かおる国連広報センター所長が2016年3月ベンティウを視察した際、コンテナーを改良した平原所長の宿舎にお邪魔して抱負をうかがいました。
南スーダンにおける地雷除去:国連、日本の支援に謝意
地雷や不発弾が除去されてはじめて人々は爆発物の脅威から解放され、難民達が故郷へ戻り、子供達が学校へ戻り、遊びたい場所で好きなだけ遊び、農地が再び耕畜され、家畜が放牧され、ひいては道路や建設物といったインフラ整備が可能となり、結果として経済開発の礎となります。国連地雷対策サービス(UNMAS)にとって、日本は世界で最も寛大に財政支援を提供するドナー国です。南スーダンでのUNMASの活動に対しても、日本はここ数年間に1200万米ドル以上を支援してきました。
折しも2016年は日本が国連に加盟して60周年の節目であり、UNMAS南スーダン事務所では「日本、ありがとう!」ビデオを制作しました。本ビデオで、国連南スーダンミッション(UNMISS)を率いるロイ事務総長特別代表は、日本の地雷除去活動支援や、自衛隊による道路補修・インフラ整備の重要性を強調し、UNMISSに対する日本の貢献に謝意を述べています。
国連広報センター根本所長、2016年3月南スーダンを訪問
2016年3月に、南スーダンのPKOミッション(UNMISS) を訪れ、傘下の国連地雷対策サービス(UNMAS) の活動を、国連広報センターの根本所長が視察しました。
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