アメリカ運輸省は、デルタ航空が10月3日より運休しており、未使用となっている東京/羽田〜シアトル線の発着枠の再割当てを、アメリカン航空とハワイアン航空が求めている問題で、同路線を存続させるか、再割当てを行うかの検討に入った。
デルタ航空は、アメリカ運輸省が定めた、90日間運航が行われなかった場合は発着枠の再割当てを行わなければならないとの規定に基づき、90日ごとに1週間、同路線の運航を行う計画だった。来年3月29日から始まる夏スケジュールでは通常運航とする計画で、発着枠の再割当てが決定された場合、ルール通りに運用しているデルタ航空からの反発は避けられないものと思われる。
デルタ航空は、「かねてよりシアトル発着便を増やし、ハブ空港として成長させています。シアトル〜羽田便に関しても、引き続きアメリカ運輸省の定める規則を遵守しながら運航を続ける所存です。冬期は需要減のため一時的な季節運休を実施していますが、需要に応じた季節運航は全ての航空会社において通常行われているものです。デルタ航空は予定通り、2015年3月末からシアトル〜羽田便の通常運航を再開させます。」とコメントしている。
日本とアメリカの間では、深夜早朝便に各4枠の発着枠が割り当てられており、当初就航したアメリカン航空は、ニューヨーク線を運休して発着枠を返上。その後、発着枠はユナイテッド航空に割り当てられ、今年10月26日にサンフランシスコ線に就航。羽田の拡張後初となる乗り入れを果たした。
デルタ航空の発着枠が再割り当てが行われた場合、アメリカン航空はロサンゼルス線を開設する計画。ハワイアン航空もアメリカン航空のニューヨーク線運休に伴う発着枠返上の際にはコナ線の就航を申請していたことから、開設の申請が行われる可能性もある。
アメリカに割り当てられた4枠ある発着枠は、アメリカの消費者の利益最大化のために活用することが望ましいとされており、これに基づいた決定がなされるものと見られる。日本の発着枠は、日本航空(JAL)と全日空(ANA)が、ホノルル線2便とロサンゼルス、サンフランシスコ線に1便就航させており、日本人の渡航需要が高い国への運航を行っている。
ただ、ロサンゼルス線はすでに、全日空(ANA)とデルタ航空が毎日1便を運航しており、両国で計8枠ある発着枠のうち3枠をロサンゼルス線が占めれば供給過剰になる可能性も高い。
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