一億総活躍国民会議第一回終わりました!

結婚したい、子どもがほしいという未婚者の方への支援としての少子化対策では、「産める空気」のある社会の土台作りが必要です。

一億総活躍国民会議、第一回終わりました!

初首相官邸。ずらりと並んだ大臣の前での、民間議員として、ひとり3分のプレゼンでした。

せっかく作ったので、こちらに原稿を載せておきます。

このプレゼンを作成するにあたって、資料、アドバイスをくれたソーシャルセクターの方々、本当にありがとうございます。

またこのような会議に出るにあたって、どうすれば、この機会を生かして、今すぐに助けを必要としている人の状況をよくすることに貢献できるか、ざまざまな人にアドバイスをもらいました。

本当にありがとうございます。

「相模女子大客員教授の白河桃子です。内閣府少子化大綱およびまちひとしごとの「地域少子化対策検証プロジェクト」の委員もさせていただいております。

国立成育医療研究センターの齊藤英和先生と一緒に、高校生と大学生の男女向けに、妊娠の知識の啓発および子育てと両立できるキャリアプランの授業をやっております。

少子化の数字の9割は、今の未婚の方たちの今後の動向で決まるということです。

結婚出産は個人、特に女性の意志にゆだねられていますが、結婚したい、子どもがほしいという未婚者の方への支援としての少子化対策についてお話します。「産める空気」のある社会の土台作りが必要です。

第一は経済的な不安をとりのぞく環境整備です。

女性がこどもを産みたいという気持ちになるには、継続できる安定した仕事が必要です。なぜなら男性ひとりの収入では一家を養えない時代だからです。

データによると、地方の未婚の男女は、年収の200万から300万円台の方が多いという結果となりました。結婚したいという希望をかなえるには、鍵となるのは地方に多い非正規雇用の女性の就業継続です。正規雇用が増えるのが一番いいのですが、まずは出産しても収入ゼロ円にならないことです。非正規女性の育休復帰率はわずか4%。これでは安心して結婚も出産もできません。正規雇用の女性の活躍と同時に非正規女性の活躍支援は少子化対策として有効ですし、女性の経済的なエンパワメントは地方活性にもなります。

具体的な施策としては、現在育児介護休業法改正の審議が行われていますが、非正規女性の産休育休の取得の3要件の緩和です。英国、フランス、カナダでは「出産にともない減収があった」ことで給付されますが、日本3要件は厳しい。3要件の緩和で、非正規女性が子育てしながら仕事をつづけられる希望ができること。それも少子化対策として効果があります。

第二に、恋愛や結婚へのリスクではなく、ポジティブな面に目を向けてもらうこと。それを喚起するのは、イベントやTVCMではありません。身近に多様な形のカップル、家族の幸せな姿を見ることです。

その中にはひとり親家庭もあります。3組にひと組が離婚している現在、ひとり親家庭、特にシングルマザーの方の幸せな姿がない社会では、誰もが結婚に慎重になります。

川崎でお子様が殺されてしまったシングルマザーの方、5人お子さんがいて、朝も晩も働いて子どもの様子に気がつかなかったと泣き崩れていらっしゃいました。

フランスでは家族の手当が30種類もあり、3人子どもがいるシングルマザーならトータルで15万円ほどが支給されるそうです。昼も夜も働くようなことはありません。ひとり親が幸せに子育てをしている姿がないことには、思い切って結婚や出産に飛びこむ人は減るばかりです。

具体的には、現在児童扶養手当増額(複数子加算) 実現を目指す署名キャンペーン「子どもを5000円で育てられますか?」 『ひとり親を救え!プロジェクト』も開始しております。

環境整備があり、そして結婚支援の効果があります。地方自治体の結婚支援、いわゆる婚活は今さまざまな形で、地域の実情に合わせて、内閣府の少子化強化交付金等で行われ、良い事例も出ております。いずれこちらはお話する機会があれば、もっと詳しくさせていただきます。

経済的な不安をとりのぞく環境整備、特に女性の就業継続、多様な家族の幸福な姿がベースにあってこそ、効果的な未婚者への少子化対策になると思います。「産める空気」の土台作りを、この会議で具体的に討議していただけると嬉しいです。」

(2015年10月29日 「Touko Shirakawa Official Blog」より転載)

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