ピースオブケイク(渋谷区)が立ち上げた新サービス「note(ノート)」が本日4月7日にリリースされ、さっそく話題になっています。
ピースオブケイクは、ダイヤモンド社で『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』、『スタバではグランデを買え!』などを手掛けた編集者の加藤貞顕さんが2011年12月に立ち上げた会社です。これまで、定額課金型コンテンツ配信プラットフォーム「cakes(ケイクス)」を運営してきました。
cakesは1週間150円で会員登録すれば、さまざまなクリエーターのコンテンツが楽しめるサービス(無料コンテンツもあり)。クリエーター側はPVなどに応じてギャラを受け取ることができます。
一方、今回リリースされたnoteの最大の特徴は、cakesのように登録されたクリエーターでなくても、誰でも気軽にサービス内で有料コンテンツを投稿できるということです。いわゆるプロの作り手ではないアマチュアのクリエーターでも、SNSのような感覚で他のユーザーとつながりながら自身のコンテンツを販売することができます。
また、投稿できるコンテンツもテキスト、写真、イラスト、音楽、動画と幅広いのでさまざまなジャンルの作り手が参加可能です。価格設定の範囲は100円〜10,000円で、もちろん無料での投稿も可能。TwitterやFacebookとも連動ができるので、販売の導線を外部サービスに広げることもできます。売上金額から決済手数料(売上金額の5%)を引いた額の10%が、運営側に渡るシステムとなっています。
支払い方法は現在のところはクレジットカードのみですが、今後は携帯キャリア課金、Apple課金などにも対応する予定とのことです。
実際に触って思ったのは、販売・購入のシステムが非常にシンプルで使いやすいということ。デジタルコンテンツにお金を払う際には、金額的なハードル以上に手間がかかるかどうかという心理的なハードルが障壁になる場合が多いので、その点をかなり考慮して設計しているなと思いました。また、投稿(ノート)ごとのアクセス数がわかったり、テキストの無料公開範囲を設定できたり、売上管理ができたりと、便利な機能が実装されています。
4月7日時点で投稿されている有料コンテンツは、
・岡田育(編集者・文筆家):連載まんが『ラクガキで儲ける法』第1回
・内沼晋太郎(numabooks):note雑感
・めいろま(@May_Roma):「週刊めいろま」Vol.001 日本は若者に厳しすぎるんじゃないか?(2013年09月06日発行)
などなど。
皆さん、まだ試行錯誤している最中だと思うので、今後どのようなコンテンツが投稿されるか注目したいところです。個人的には、有名人以外の才能ある新人クリエーターがnoteという「場」を使ってマネタイズできるようになれば、デジタルコンテンツ市場がさらに活性化して面白くなるという感想を持ちました。引き続き、noteの動向を注視していきたいと思っています。
追伸:3日間、使ってみた感想を筆者のnoteに投稿しました。ぜひ、ご一読ください。