香港で開催されるアジア最大の映像コンテンツの見本市【香港フィルマート】からアジアにおけるコンテンツビジネスの最新情報をご紹介します。
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-映像コンテンツビジネスは中国がアツイ-
ほかの国際的な映像マーケットと比べて著しく違う点は、中国大陸からの参加が圧倒的に多いということ。その数155団体。広州、深圳など近隣からの参加はもちろん、北京、上海という都市部のほか、山東、湖南、浙江など地方エリアからの参加も多く、中国において映像コンテンツビジネスがいかに積極的に取り組まれているかが肌で感じることが出来ます。
そんな中、毎年中国の参加者の中でもひときわ大きなブースを構える杭州ブースの1社に話を聞くことに。彼らの会社は中国の中でも大手の部類に入るコンテンツ制作会社、元々はディベロッパーで杭州を中心としたショッピングモールを運営、映画館も多く保有しており、そこで上映する映画やアニメを自分たちでつくってしまおうという発想でグループ会社を新設したのが始まり。いまはアニメ映画制作事業も順調な伸びを見せていると話してくれました。
その発展の理由の一つとして大きいのが、杭州市自体が映像コンテンツ制作事業に力をいれており、様々な支援がされるということ。そもそも、中国中央政府が策定し、現在進行中の第12次5か年計画の<第 10 篇 継承と創造 文化の大発展と繁栄の推進>にて、文化事業と文化産業の繁栄・発展を掲げており、杭州以外にもコンテンツ産業全体が国のバックアップを受けているという現状があるのです。
中国ブースの中でもひときわ目をひく杭州のブース
-大物が続々登場、中国オンライン動画マーケット事情-
会場の様々な場所で開催されるセミナーやシンポジウムにはアジア映像コンテンツ業界の大物が次々と登場します。その中の一つ、オンラインメディアがテーマのシンポジウムに、中国大手オンライン動画配信サイト"iQIYI(愛奇芸)"と"YoukuTudou(優酷土豆)"が登場しました。
スクリーンに映し出されているのはYoukuTudou(優酷土豆)のシニア・ヴァイス・プレジデントのアレン・ツー(Allen Zhu)氏
様々な議論がなされた中で興味深かったのはiQIYI(愛奇芸)CEOのゴン・ユウ(Gong Yu))氏による中国政府のコンテンツ著作権の取り扱いについての発言です。
「海賊版の影響を未だ受けてはいるが、近年の中国政府の取り締まりにより大きなサイトはなくなった。まだ残る小さなサイトもあと数年で淘汰されるだろう。」
中国での海賊版DVDや違法ダウンロードが広く知られている日本では、この発言は意外だったのではないでしょうか。しかしながら実はiQIYI(愛奇芸)は、サイトオープン当初から権利を正規に購入し法的に問題ないコンテンツのみを配信しているサイトであり、彼らにとって海賊版が淘汰されることは新たなユーザー獲得につながり増収増益へとつながることを意味しています。中国中央政府もまた、先にあげた第12次5か年計画の中で著作権法政策の整備を明示しており、ここ数年、このような海賊版撲滅のための取り締まりを強化しているのです。
著作権の整備も進み、拡大する中国オンライン動画マーケット。次回はマーケットの現状とユーザー獲得の仕掛けについてご紹介します。
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