ビットコインの話題が止まらない。26日には、一時950ドルという高値を付けて、いよいよテック界や金融界等の一部が注目していたレベルを超えて、多くの人がこの新たな仮想コインの話題を耳にすることが増えてきたようだ。そんな中、当然のことながら多くの人が興味を持っているのはたった1つの質問だ。それは「ビットコインはバブルなのか?」というものだ。
この問いかけに対して、アメリカ「Mebane Faber Research」社はシンプルなアプローチをとってみることにした。それは、歴史上もっとも悪名高いバブル事件として知られる「南海泡沫事件」の南海会社の株価との比較をおこなったのだ。それが以下のグラフだ。
このグラフを見る限り、ビットコインは史上最悪のバブル崩壊に匹敵するほどの投機熱に侵されているようだ。もちろん、ビットコインの価格上昇が本質的に金融商品のそれとは異なると主張する専門家や、そもそも価格の乱高下についてはあまり問題ではなく、トランザクション・コストが限りなく低いことこそが革命的だと主張する人々もおり、金融の取引環境も大きく違うような1720年という「大昔」の事件と比較をおこなうのは、あくまでも「お遊び」と考えた方が良いだろう。
しかし、それでもこうした歴史に名が残る変化と比較されるまでになったビットコイン。その行方に注目しないわけにはいかないだろう。また、このグラフについては、Business Insiderでも人気を集めており、全てのチャートを見たい人はこちらもチェックするべきだろう。
■ 南海泡沫事件とは
南海泡沫事件は、1720年の春から秋にかけてイギリスで起こった株価の急騰と暴落。1637年のチューリップバブルと18世紀のミシシッピ計画とあわせて歴史上最も知られたバブル崩壊事件の1つで、科学者アイザック・ニュートンが大きな損害を被ったことでも有名。
南海会社は、1711年にトーリー党のロバート・ハーレーによって、イギリスの財政危機を救うために設立された貿易会社だが、1717年に販売した富くじが大成功をおさめたことで金融会社に変貌。その後、株価をつり上げる巧妙な手法によって一気に数ヶ月で10倍の高騰を引き起こし、空前の投機ブームを引き起こした。しかし、わずか数ヶ月で株価は元に戻り、多くの破産者を生み出した。
バブルの際の人々の狂乱を描いたチャールズ・マッケイの著作『狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか』は現在でも広く知られている。
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(※この記事は11月27日に掲載されたTHE NEW CLASSIC「ビットコイン"バブル"を表した驚異的な1枚のグラフ」より転載しました)