この週末、任天堂はPokémon Goを公開した国々ですでに大波に乗ることに成功している。東京証券取引所における任天堂の株価は急上昇し、今日の終値は280億ドル〔2.8兆円〕に近づいた。
しかも株価はまだ上昇する気配だ。Pokémon Goが公開されたのはまだ数カ国に過ぎない。これからイギリス、ヨーロッパ、そしてピカチュウの故郷である日本そのものでの公開が控えている。Wall Street Journalの記事によれば、数日のうちにこれらの市場でも公開される。情報源は「このゲームについて詳しい筋」だという。
ここまでのPokémon Goの成績は? ReutersはSimilarWebのデータを引用し、アプリはアメリカのAndroidデバイスの5%以上にインストールずみだと報じた。これは出会い系アプリのTinderの普及率よりも高い。Pokémon Goの1日当たりアクティブ・ユーザー数(DAU)はTwitterを抜き、SimilarWebによれば1日あたり43分という利用時間はAndroidアプリの代表であるInstagramに費やされる時間より長いという。
Pokémon Goのリリースはいくつかの点できわめて特異だった。アナリティクス企業のSensorTowerからTechCrunchに送られたデータにそのユニークさが現れている。
- GoはApp Storeのゲーム部門で4.5時間も首位にとどまった。最近のゲーム・アプリとして新記録だった。
- アメリカ市場ですでにトータル5位のアプリとなっている。ローンチ後1日でClash of ClansやCandy Crushよりも上位となった(同じ任天堂のMiitomoは最高で総合73位までしか届かなかった)。
- オーストラリアとニュージーランドではローンチ後2日でダウンロード数、売上ともにトップ。
Pokémon Goが任天堂にとって成功であることは明確となった。問題はこれが同社の将来の行動にどう影響するかだ。Miitomoはビジネスモデルとして似たような仕組みを持っている。しかしMiitomoはGoのような成功を収めることはできなかった。
ゲーム専用機以後の時代に入った任天堂にとって、Goの成功によって知的所有権を有する他のビジネスも活気づけられるというのが理想。しかしどの部分がビジネスを成功に導き、どの部分がそうでないかを見極めるのは依然として困難な作業になるかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦@FacebookGoogle+)
(2016年7月11日TechCrunch日本版「Pokémon Goで任天堂の株価は90億ドルアップ―さらに今週にも日本を含めて世界公開へ」より転載)
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