オバマ大統領でさえ、Facebookはもはやクールではないと思っている

誰でもいいから30歳以下の人に、Facebookが〈大好き〉か聞いてみてほしい。答えはおそらくノーだ。かつて支配的だったソーシャルネットワークは、間違いなくその超優越的、超人気の初期状態から、ママやおじさんたちが政治的意見や赤ん坊の写真を投稿する場所へと成り下がった。

誰でもいいから30歳以下の人に、Facebookが〈大好き〉か聞いてみてほしい。答えはおそらくノーだ。

かつて支配的だったソーシャルネットワークは、間違いなくその超優越的、超人気の初期状態から、ママやおじさんたちが政治的意見や赤ん坊の写真を投稿する場所へと成り下がった(少なくとも、私はそう思っている。私はずっと前からFacebookにいたわけではない)。

事実、Facebookはそのクールな要素の殆どを失い、オバマ大統領でさえそれを知っている。

実はAtlantic誌のテクノロジー担当共同編集長、Robinson Meyerは、たまたまコーヒーショップでオバマ氏の近くに座り、その時大統領は18~34歳層について尋ねるミーティングの最中だった。目的はその年齢層の人たちにもっと医療システム改革による保険に加入してもらうことだ。Meyerにとっての目的は、自分の領域に関係する何かを大統領が言うのを小耳にはさむためだった ― そしてうまい具合に ― オバマ大統領は彼に逸品をくれた。

「彼らはもうFacebookを使っていないようだね」とオバマ大統領は言った。

Meyerは大統領の言った「彼ら」が何を指すのかを考えた。それは調査対象の年齢層、18~34歳の人たちかもしれないし、一般的な三人称複数中性代名詞かもしれない、とMeyerは思い悩んだ。

しかしわれわれは「彼ら」が誰かを知っている。それは10代から20代の、そもそもソーシャルサービスの人気を広めたクールな連中のことだ。

Meyerが立ち聞きしたインタビューは、SnapchatとInstagramが何であるかを大統領が知っていることも暴いたが、これらの前途有望なソーシャルサービスに対して彼が関心あるいは熱意を持っているかどうかは不明だ。

明らかなのは、Facebookが威厳を失くしたことだ。

この下方スパイラルに関する実証データを提供できる数少ない情報源だったOnavoをFacebookが買収して以来、Facebookや他のソーシャルサービスの競合状況に関する洞察を与えられるサービスは一つだけになった。

App Annieによると、Facebookは米国iTunes AppStoreのダウンロード数で50位台にランクされていた。一方、Snapchatは10位台か1桁のこともあった。昨年8月、何らかのアルゴリズム変更によって突如Facebookも10位代に上昇した。(App Annieは本誌に対して「iOS AppSoreのランキングに8月頃変化が見られた」と言ったが、Facebookの変化の原因がAppleだけにあるのかどうかは明らかにしなかった)。

現在の全体で14位、ソーシャルで3位という順位でさえ、FacebookはSnapchat(6位)とInstagram(11位)よりも低いランクにいる。Instagram(間違いなくFacebookで最もクールな部門)は写真およびビデオ部門で依然としてSnapchatよりもランクが低い。

もちろんこれがFacebookに問題が起きていることを表しているとは限らない。この会社はユーザー10億人の拠点であり、Google、YouTubeに続くインターネットで人気第3位のウェブサイトだ。加えて、このデータはFacebookおよびFacebook Messengerが、新しいiPhoneを買った人によくダウンロードされていることも証明しており、これらのアプリが未だに必須であることを示している。

しかしクールな若者たちはいなくなった。

もはやFacebookは、大学のクラスメートといちゃついたり、何時間も写真をアップロードする場ではない。その利用形態はFacebookが大学生専用であることをやめ一般公開した時、ほぼ不可能になった。必然的に若い従兄弟や叔父さんや叔母さんや両親たちがプラットフォームにやってきた。そこはホットなソーシャルネットワークというより、家族親睦の場に近く感じられるようになった。

そして、Facebookに入りたくてうずうずしていた世代は、自分たちの親も入りたくてうずうずしていることに気付いた。14~22歳でいっぱいのネットワークではなく、そこは12~50歳のネットワークになった。

今やクールな若者たちにとって、それはメール機能付きアドレス帳であり、もし相手がInstagramを使っていなければ、ストーカー行為にも使える。それはわれわれが使う他のソーシャルアプリすべてのスケルトンであり、サインアップは簡単になり、友達を探すプロセスは新しいアプリをダウンロードするたびに繰り返し行うものではなくなった。

Will Oremusが的を射た記事を書いている。「全員」あるいは「クールな若者」のどちらかを持つことはできるが、両方持つことはできない。

Facebookは全員を選び、それは理にかなっている ― 彼らのビジネスモデルは普遍性を前提にしている。全員のソーシャルデータを持っていれば、あらゆる物の広告を売り収益化できる。そしてごく最近まで、Facebookはこれで著しい成功を収めている。

Instagramが3000万人の超熱列な若者ユーザーで脅威を示した時、Facebookは直ちにクールな10億ドルで脅威を無力化した。弱々しいIPOの後、Facebookの広告ビジネスは大成功している。

しかし今、前途洋々のSnapchatが脅威を与え始めている。当初Facebookは、Pokeというクローンで対抗したが失敗に終り、次に30億ドルの買収を提案した。

Snapchatは、他のソーシャルライバルと異なりFacebookに一切依存していない。代わりに友達の発見にはアドレス帳を使う。その頃InstagramユーザーたちはInstagram広告に怒りをぶつけ、かつていかしてクールだった写真共有アプリは影をひそめ、今やFacebookという企業マシンの歯車となっている。

毎日が過ぎていくたびに、Facebookは益々Appleのようではなくなっていき、益々Dellのようになってくる。幸いまだ次のAppleは追いかけてきていない。若くてホットなソーシャルネットワークが問題解決に現れてくることはあっても、全方向ソーシャルネットワークを作ってFacebookと競合しようとする者はGoogle以外にいない。そしてその結果はみんなが知っている。

Zuckはこのすべてを知っている。彼は、Facebookがティーンの支持を失っていることを収支報告会見で認めたが、Facebookはクールであることより有益であることの方が重要であると語った。そして今も有益だ。

今後もダウンロードは続くだろう。今や他のソーシャルアプリを使いたければFacebookが必要なのだから。Facebookは広告で稼ぎ続けるだろうし(今や彼らはわれわれのすべてを知っている)、Messengerはテキストメッセージにとりつかれたティーンの間で絶対的人気ツールであり続けるだろう。

しかし、物事は変わった。オバマさえもそう言った。

クールな若者たちは公式に何か別の物を探している。そして次のEvan Speigelが現れ、Zuckから現金を受け取ることを頑に拒み、ただし今度は汎用ソーシャルネットワークをひっさげて来るのは時間の問題だ。そして若くてベンチャー資金に支えられたこのソーシャルネットワークは、向こう数年間広告を載せないだろう。

そして、現行サービスとは異なり、10代や20代に対する圧倒的魅力を見せるだろう。

しかしそれははるか未来のこと。ですよね?

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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