旧臨時軍事特別会計のなかで、厚労省が引き継いだ国の債権の一覧表が出てきた。
124件、43,451,859円の債権だ。
最も高額なものは 返納金 日本糖業聯合会 17,290,627円。
ついで臨軍物件売払代 満州国軍事部軍政司長 10,117,575円。
返納金 南方産業株式会社 特殊整理人 3,500,000円。
臨軍物件売払代 南満州鉄道株式会社 特殊精算人 1,895,623円。
返納金 海軍施設協力会 1,500,000円。
返納金 大華鉱業株式会社 1,493,237円。
もっとも安いものは、臨軍弁償金 東部第2108部隊渡辺隊陸軍軍曹某 1円。
このほかに1円の債権として、
臨軍弁償金 東部第2108部隊第2中隊陸軍兵長 某
臨軍弁償金 東部第2108部隊第2中隊陸軍上等兵 某
陸軍物件売払代 中央通信調査部
陸軍物件売払代 鳳第8949部隊
などというものもある。
この一覧表の債務者名をみると、満州国、関東州医薬品統制株式会社、東亜航空工業株式会社、朝鮮人造石油株式会社、満州人造石油株式会社、東満州鉄道株式会社、朝鮮アスベスト工業株式会社、小笠原島畜産組合、会寧陸軍偕行社酒保部、仁川造兵廠平壌出張所、父島要塞司令部、マライゴム管理組合等々の名前が並ぶ。
しかし、いずれもおそらく存在せず、承継企業もないものばかりだろう。
いくつかの債権については、昭和30年代初頭に、特殊精算結了の公告が行われており、債権を放棄しようとしていたこともうかがえる。
一方、戦時中に郵便貯金を戦地で軍が戦費に使ってしまったケースは、郵政省が債権を管理し、日本郵政公社までは債権として引き継がれていたが、民営化に当たり、特別損失に計上し、債権を放棄している。
この調査をやっているなかで判明したのは、現在、決算行政監視委員会が平成21年度から23年度の決算を処理せず、積み残しているが、実は昭和19年度及び20年度の以下の特別会計の処理も終わっていない。
台湾総督府特別会計
台湾事業用品資金特別会計
台湾食糧管理特別会計
朝鮮総督府特別会計
朝鮮簡易生命保険郵便年金特別会計
朝鮮鉄道用品資金特別会計
朝鮮食糧管理特別会計
樺太庁特別会計
関東局特別会計
南洋庁特別会計
うーん、これは臨時国会で決算行政監視委員会が忙しくなる!?
十の特別会計に関して二年度分の審査だから、総理入りの締めくくり総括質疑をその分やれ、なんて野党が言い出して、毎日NHKがそれをテレビ中継することになったりして。
しかし、この特別会計のこの二年度分に関しては、書類が焼失したり、現地で没収されたりしてほとんどない。
決算行政監視委員会でも、この十特別会計の二年度分の決算は承認せずということになるだろう。
ちなみに決算は承認されなくとも、承認されませんでしたで終わりだ。
(臨軍特会はすでに閉鎖されているので、決算は終わっている。)
(※この記事は、2013年6月29日の「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載しました)