後日、教授からメールが届いた。
一件目 交換留学辞退の書類を差し止めてもらった旨の報告。
二件目 交換留学をあきらめない道を検討したことがあるのか、可能性はあるのではないかという提案。
読んで、ものすごくスッキリした。
わだかまりの正体がわかった。
ただ全てを投げ出して、頑張る意思だけあれば立派なのか。否、自分は考えることから逃げていたことに気づかされた。
普通に考えたら留学など行っている場合ではない。でも、まだ全然もがいていないではないか。
もっと長期的に、自分は本当は何がしたいのか、どうしたいのか、深く掘り下げることにした。
全て叶えられるかはわからないけど、もがくことは大切だ。初めから叶えるつもりでいかなくては何も起きない。
自分を鼓舞した。
為せば成る。
そう言い聞かせ、妥協のない理想を考えてみた。
産む。
しっかりと良い環境で育てる。
大学も卒業して就職する。
留学も2人でする。
つまりドイツで産んでもらう。
できたらなんて楽しいんだろう!
一度きりの人生、このくらいのことがあっても悪くないだろう。
もっと大変なことを乗り越えている自伝はたくさんある。
そんなふうに考えたと思う。
目標が具体的になったところでMにこのことを伝えたが、ドイツ行きへの反応はイマイチだった。
怖いと。お金もよりかかると。
でもとりあえずやれるだけやってみることには賛成してもらえた。
後日2人の先生に、
留学との両立は考えたことがなかったが、できることならば是非ともやりたい
と伝えた。
何にも恥ずべきことではない。
君たちは立派な決断をした。
祝福されてしかるべき。
どうなるかなんてわからない。
自分の道を自分で作れる力をつけなければならない。
相談にはいつでも乗るから、頑張ってくれ。
こんなに励ましの言葉をもらった。
最初に打ち明けて本当によかったと思っている。