さきほどまで国立競技場の解体現場に居ました。
すっかり地上構造物がなくなっております。
解体され産業廃棄物となった国立競技場の躯体を搬出するトラックが約2分おきくらいに出入りしております。そのたびにゲートが開くのですが、撮影をしておりますと、そそくさと閉めてしまいます。
台湾のTVBSさんの取材のお手伝いだったのですが、
じゃんじゃか、ほうぼうよりビックリするような連絡が入りました。
それは!
STARWARSでいえば、デススターが堕ちた!
ガンダムでいえば、ガルマが死んだ!
ドラゴンボールでいえば、フリーザが死んだ!
新国立競技場、東京五輪は屋根なし 「間に合わない」
http://www.asahi.com/articles/ASH5L3CDQH5LUTIL006.html
朝日新聞DEGITAL 2015年5月18日13時39分
2019年春の完成を目指す新国立競技場(東京都新宿区)について、下村博文・文部科学相は18日、都庁での舛添要一知事との会談で、当初計画にあった競技場の屋根は大会後に整備し、8万人の観客席の一部を仮設とする考えを明らかにした。それぞれ20年東京五輪・パラリンピックに工期が間に合わないことや建設費の削減の必要性を理由に挙げた。
会談は、下村文科相が都に建設費の一部負担を求めるのが目的で設定された。下村文科相は500億円を競技場の周辺整備費用とし負担を要請したが、全体の建設費の見積もりを示さず、舛添知事は「全体のコストがどうなるのか、都民に説明責任を果たせるように示してほしい」と求めた。
東京五輪に間に合わず、新国立競技場「屋根無し」開催
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2494705.html
TBS i (18日13:47)
「2020年はもう屋根無しでやるということは決定ということで」(舛添要一 都知事)
「そうですね、コストと期限の問題で」(下村博文 文科相)
これは18日午前、東京都の舛添知事との会談で下村文部科学大臣が明らかにしたものです。オリンピックの開会式などでメイン会場となる新国立競技場は、流線型のデザインの屋根が特徴でしたが、下村大臣は工事が間に合わないことなどから、オリンピックは、屋根が無いまま開催し、オリンピック終了後に屋根を建設する考えを示しました。
そうかあ、そうかあ
遂に気付いたかあ、理解したかあ、思い知ったかあ
あのクソアーチがリアリティゼロだったということに!
まあ、この1年半ほどの間に、
ここに来る皆には常識になってましたよね。
なにも高度な建築的理論がなければ分からない話ではなく、
中学校の物理や技術家庭レベルで理解できる内容。
「アーチのライズがゆるくてスラストが止められない。」
「馬蹄形状の屋根は平行移動ができないので開閉もできない。雪が溜まる。」
「影の出来る屋根は芝が育たない。腐る。」
「屋根の膜を軟らかいC種にすると燃える。」
「陸上競技と球技の併用スタジアムは観客席が遠くなる。」
「国立競技場の解体は地下構造物の方がやっかい。」
「日建設計は都市計画法との摺合せで実施設計に着手できない。」
「コンペ審査員も有識者会議も建築の素人ともいうべき無責任者」
「政治家は本当の事実を伝えられていない。」
それを繰り返し解説しつつ、新国立競技場問題を通じて建築全般の知識をもっと皆が身に付ければ、公共建築に物申すこともできる。
政治家といえども建築の素人なんです。
それゆえ、アドバイスする建築専門家が能力不足かつ嘘つきだと、国家的な施設ですら大間違いを起こしてしまうんです。
「知識は武器、知力は戦闘力、教養こそが己が真の領地也」
です。
ただ、この報道で誤解を生みそうなのが「屋根なし」という表現ですね。
客席には「屋根」必要です。
いらないのはザハの残滓、クソアーチです。
ここまできて、もしザハ監修料を支払うためのクソアーチ温存の算段をJSCがしているとしたら、何かブラックなことを迂回しようとしていることが明らかになるでしょう。
「屋根」とはどこのことを指すのか、
はたまたすべてを白紙に戻して、いかなる建築物の計画が再構築されうるべきなのか、緊急解説します。
とりあえず、更新したけど続きはまた後で書きます。
(2015年5月18日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)