新国立競技場の提案審査が昨日12月19日におこなわれた模様です。
それを受けて政府発表が22日にあるとかないとか言われておりますが、
結果がどうなろうと、とりあえずB案支持の理由解説を続けます。
まず、B案の方が工期を早めることができる可能性がある!についてです。
その前に、技術提案書を眺めておりましたら、既にB案の方が工期が早かったです。
これです。
A案提案書6ページの右上
続いて、B案提案書の18ページ右上
スタートがB案の方が後、にもかかわらず完成時期はいっしょ。
なら、B案さんも2016年12月に着工すれば、2019年9月末に完成すんじゃね?
ということになりますよね。
では、ちょうど1年後の2016年12月前後の様子をみてみましょう。
まずは、A案さん。
2016年11月に確認申請を終わらせる、と書いてあります。
続いてB案さん。
建築確認申請が2017年の1月となっていますね。
つまり、このスタートダッシュの2ヶ月を決めるのは、確認申請取得が鍵ということです。
また、A案さんとB案さんの動きの違いは、建物の下にある土の工事です。A案では、2016年12月から土工事を始めるとし、B案では2016年6月から分割契約により、土工事に手を着ける、と言っています。
これは非常に大事なことです。
以前より解説していますが、この土地の地盤はあまりよくない。
と同時に、以前の旧国立競技場の基礎杭が現状数多く残置されています。
これらが、どうなっているかをなるべく早めに知っておく必要があります。
なぜ、B案さんが土工事急いでいるのかというと、次のような記述がありました。
このブログの読者さんでしたら、もはや周知の「杭」問題です。
壊してしまった旧国立競技場は、以前みんなで勉強したように、猛烈な数の杭が打ってある。
その姿はまるで剣山のようである、というものです。
この剣山みたいな既存杭の処理を検討しています。
さらに!B案さんは、杭撤去と土の搬出についても検討しています。
この土の搬出がいかに恐ろしいか、以前解説しましたよね。
以前のザハ案計画では、基礎下にタイバーとかを埋め込む必要があり、土地を掘りまくる。
結果、ものすごい残土が出まくる、土を搬出しまくる、トラックがひっきりなし。
この、空恐ろしいまでの残土処理を減らす!6割減らす。
基礎形状を土の処分状況に合わせながら検討するとしています。
そういった検討処理を2016年度中に仕上げる!と言っているのがB案さんですね。
では、A案さんはその基礎下の土工事についてどんな言及をしているのか?といいますと
え、っと、、、A案君。ちっとも具体的じゃないんすけど、、、
「作業効率を提言し、縮減します、、」
ええ、気持ちは分かりますけど、どないして低減すんじゃい!という部分が欠けている。
「やろうと思います」、A君、それはいい、分かる。
そういうの、、新人さんとかが「御社のために全力でやろうと思います」
とか、「できるだけやります!」とか、、、
気持ちはありがたいねんけど、、、A君、ここは大人の世界やから、、、
どうやってやるんか示してもらわへんとな、、。
そんな感じなんです。
意気込みだけでは、新国立競技場は前回のコンペのときから、意気込みさんばっかり集まって、結局のところ計画破綻しているんで、
もはや相当ヤバイんで、意気込みとかはいらんから、具体的でドライで冷徹で厳しい見解を示してもらわへんとな。
そんな感じです。
(2015年12月20日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)
「新・新国立競技場計画でB案押しの理由①」はこちら