韓国陸軍当局が軍隊内の同性愛者の捜索や刑事処罰を指示したことが明らかとなりました。4月13日、NGO「軍人権センター」が緊急記者会見を開いて明かされたことです。それ以降も大統領選候補者による、同性愛を否定する発言など波紋を広げています。「軍人権センター」イム・テフン所長が、ハフポスト韓国版に所感を投稿しました。
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大統領選TV討論会で軍隊内の同性愛関連の問題で始まった候補の発言問題で、民主党、正義党議員から電話を受けました。誰が上手く答えて、また答えられなかったのか彼らもよくわかっていると思います。
国防部と兵務庁が同性愛を「性的選好度障害」と規定し、徴兵身体検査時に疾病として分類していることに加え、軍刑法92条6が同性間の合意の下での関係を懲役2年以下に処していることに反対し、2004年、盧武鉉政権時代に私自身兵役を拒否して監獄行きを選択しました。
それから13年が過ぎましたが、この問題は性的マイノリティ陣営内部でも公論化されず、主要な争点のなかでも最優先ではなかったし、関心を持っているのは何人かの性的マイノリティ団体と女性団体で構成された軍性的マイノリティネットワーク(6団体)だけでした。その点で軍隊内同性愛者の問題が大統領選イシューとして浮上し、性的マイノリティの当事者の方々と国民の皆様が知ることとなったのは、非常に歓迎すべきことです。
多くの性的マイノリティと常識のある方々が、25日の文在寅候補の発言にとても怒っています。私自身も眠れない夜でしたし、性的マイノリティとしての人生を丸ごと否定されて非常に怒っています。そして今、国会議事堂では怒った性的マイノリティの人権活動家が文在寅候補の面前で直接謝罪を要求し突発的なデモを行ない、現在永登浦警察署にみな連行されたそうです。
昨今の現実は同性間で愛し合ったという理由で、違法捜査とおとり捜査、そして口にするのすら難しいセクハラや虐待に近い捜査過程を経て、除隊日が過ぎた1人の軍人が拘束され軍憲兵隊刑務所に閉じ込められており、30人以上の軍人が刑事立件されて裁判を控えている状況です。21世紀の大韓民国の地で野蛮なことが起こっています。大統領選のために、これに沈黙している政界に対して恨んだりつよく怒らないように絶えず努力しました。そして国防部の前に多く集まれば、大統領選候補も関心を持つだろうと思いました。しかし、私の考えがあまりにも無邪気だったようです。
2012年の大統領選で文在寅候補の人権十大公約を作るのに参加した私としては、昨日の発言により文在寅候補をこれ以上擁護することができなくなりました。より正確に言えば、支持を撤回するか真剣に悩んでいます。
性的マイノリティの人権活動家に、記者会見する面前で失礼であると批判なさる方もいらっしゃるでしょうが、文在寅候補が発言し終わるまで怒りを抑えて待ってくれた活動家たちへのこれ以上の非難の発言をお控えください。憲法上、マイノリティの人権と表現の自由が保障されない国には希望がありません。私は今、逮捕された活動家の面会をしに永登浦警察署に向かいます。
ハフィントンポスト韓国版「소수자의 인권이 없는 나라에는 희망이 없습니다」より翻訳・加筆しました。
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