インドのヴィパッサナー瞑想で10日間喋ることも、目を合わせることもできなかった話

座禅を組み、背筋を伸ばして座り、鼻の呼吸に集中する。瞑想の基本は、これだけです。これを、朝から晩までやるだけです。

皆さんこんにちは、美山佑介(@aka_yski)です。「ヴィパッサナー瞑想」というブッダが悟りを開いたという瞑想法があり、インドでその修行ができると聞いたのでやってきました。

確かに、僕もそろそろ悟り開こうかなとは前々から思ってたんですけど、まさか世界一周中に修行ができるとは思いませんでした。今回は、そのヴィパッサナー瞑想について書いてみたいと思います。

旅の概要

旅行時期:2013/06〜2013/07

旅行日程:12日間

誰と行ったか:1人

移動手段:バス、電車、リクシャ

訪れたエリア:インド北部

ヴィパッサナー瞑想とは

ヴィパッサナー瞑想とは、インドに古くから伝わる瞑想法の1つで、これによりブッダが悟りを開いたとも言われている修行法です。10日間(オリエンテーションも含めると12日間)のコースから成り、外界とのコミュニケーションを一切断ち、自分の意識のみに集中することで自己の変革を目指すというものです。

外界とのコミュニケーションを一切断つということはどういうことかというと、携帯電話やPCなどを没収されるのは勿論、人と話すことも禁止。ていうか、人と目を合わせることすらも禁止。読み書き禁止。もうとにかく考えうる限りのコミュニケーションが禁止。禁止禁止禁止禁止うわああああああ!!!!!

高校3年の時の泊まりがけの勉強合宿で、ケータイを没収されただけで「マジキツい」とか言ってた自分に助走をつけてラリアットしてやりたいぐらい、厳しいルールの上で行われます。

想像を遥かに凌ぐ瞑想修行のキツさ

瞑想修行の朝は早いです。どれくらい早いかというと、4時に起床です。4時って、僕の中で余裕でまだ夜ですからね。少なくとも朝では無いですからね。因みに、こちらが1日のタイムテーブルになります。

4:30~6:30 瞑想

6:30~8:00 朝食休憩

8:00~11:00 瞑想

11:00~13:00 昼食休憩

13:00~17:00 瞑想

17:00~18:00 夕食

18:00~19:00 瞑想

19:00~20:30 講義

20:30~21:00 瞑想

21:00~ 就寝

これ、見ました?ちゃんと見たら分かると思うんですけど、これ、もうカオスなスケジュールなんですよ。スケジュール界のインドですよ。

朝4時から、21時に就寝するまでひたすらに瞑想です。しかもこれ10日間やりますからね。そりゃ、悟りじゃなかったとしても何かしらは開きますよね。

瞑想のやり方

座禅を組み、背筋を伸ばして座り、鼻の呼吸に集中する。瞑想の基本は、これだけです。これを、朝から晩までやるだけです。

分かりやすく言うと、無になることを目指します。ドラゴンボールで、ピッコロを倒すために悟空に修行をつけた「ミスター・ポポ」って奴いるじゃないですか。イメージ的には、ミスター・ポポみたいになれれば100点です。

瞑想をやる部屋があるんですけど、まずはじめにストリートファイターに出てきそうなインド人のじいちゃん先生(僕はヨーダって呼んでた)による英語での講義があり、それに従って瞑想をするカンジです。

座禅みたいに、油断してゆらっとしたら背中叩かれるとかそうゆうのはありません。ヴィパッサナー瞑想は、全くもってゆれ放題です。

ヴィパッサナー瞑想で得られること

僕が、この瞑想修行で得たものは大きいですよ。

日本人に生まれて普通に生きてたら、12日間一切人と話さず、ひたすら瞑想に励むなんて絶対にしない経験だと思うんですよ。

まず、この経験だけでおじいちゃんになっても孫に自慢できるレベルで特別だと思うんです。

結果、孫にドン引きはされると思うんですけどね。

「今」を生きることの大切さ。

瞑想をして「無」になろうとすると、前述の通り過去の後悔とか、未来への不安、渇望等が心に浮かんでくるわけです。でも、過去や未来のことを考えることに大した意味はないんですよ。終わってしまった過去のことを悔いても仕方ないし、誰も分からない未来に対して思考を巡らせることもそうです。

それより「今」を懸命に生きることが、ひいては明るい未来へと繋がり、更には過去の意味も変えていけるってヨーダがむっちゃ言ってました。あと、何気ない日常への感謝ですね。

いや、何回も書いてますけど、この修行中ガチで日常の娯楽全てを禁止されるんですよ。すると、自分が普段いかに幸せで楽しい毎日を過ごせているかということを実感するようになるんです。

人と笑い合えるとか、好きな音楽聞けるとかもう全部最高のことですし、まず街に戻って最初に食べたマクドナルドのチーズバーガーが美味すぎて死ぬかと思いましたからね。良い意味で、幸せへのハードルはガッツリ下がりましたね。

今回この修行をして、めちゃめちゃキツかったのでもう一生やりたくないし、瞑想を日常に取り入れようとも全く思わないですけど、また1つ違う世界が見れて、ものすごく良い勉強になりました。

まとめ

この「ヴィパッサナー瞑想」って、毎年たくさんの参加者がいるんですけど、皆かなりの覚悟を決めて参加しに来てるんですよ。

中にはマジで悟り開こうと思ってる人もいるし、とにかくむっちゃガチの人が多いんですよ。

興味本位で参加してしまう人も中にはいるみたいなんですけど、そういう人はそのガチさに途中でついていけなくなって、リタイアしてしまう人も少なくないそうなんですね。

でも僕、完全にその「興味本位で参加しに来た奴」だったんですよ。本当にこの修行ってキツくて、興味本位で参加していい代物なんかじゃありませんでした。ただ、キツいのを前提で参加してみると面白いと思います。

結果的にいうと、僕、「悟り」開きましたからね。

「ヴィパッサナー瞑想」は、発祥であるインドの各地で参加することができ、なんと日本でも、京都と千葉に修行できる施設があるそうです。そろそろ悟り開こうかなとお考えの方は、是非参加してみては如何でしょうか。

all photo by yusukemiyama

ライター:美山祐介

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