ヨーロッパを旅していると、各都市で必ず見かけるといってもいいのが教会ですよね。
祭壇が美しく装飾された教会、ステンドグラスの彩りが鮮やかな教会、木造建築でなんとなく心が穏やかになる教会...
世界には様々な教会があり、たくさんの旅行者の方が訪れています。今回僕が紹介したいのは、教会の中でも少し変わった教会。
その名もセドレツ全聖人教会です。
セドレツ全聖人教会はチェコのクトナーホラという街にあり、たくさんの観光客が訪れています。
けれど、この教会にはとある特徴が...
実際に訪れてきた旅丸のshoが皆さんにセドレツ全聖人教会の変わった特徴についてお伝えさせていただきます。
到着早々いきなり墓地が登場...
こちらがクトナー・ホラにあるセドレツ全聖人教会です。
目の前には納骨堂があり、その手前には...
墓地がずらりと並んでいます。
実はこの墓地が、セドレツ全聖人教会と深い関わりを持っているんです。
それでは実際にセドレツ全聖人教会にある納骨堂へと行ってみます。
これは本物!?入り口から人骨アートが飾られてる!
こちらが入り口になります。よく見てくださいってよく見なくてもわかりますよね...
そうです。あちこちに飾られている白い"何か"がありますよね...あれってやっぱり...
人骨...ですよね...。人骨で聖杯が作られてるではありませんか...
こちらにある人骨は全て本物であり、レプリカのものは一切ありません。
こうやって積み上げられているしゃれこうべも昔にお亡くなりになった方のものになります。
では一体、なぜここにはこんなにたくさんの人骨があるのでしょうか...
数万人にものぼる犠牲者の骨を納める納骨堂
14世紀、ヨーロッパではペストという伝染病が大流行しました。
チェコでも感染者は非常に多く、数万人が亡くなったと言われています。
この場所には当時教会はなく、墓地には約3万人のペスト犠牲者が埋葬されたそうです。
また、ペストが落ち着いた後には、宗教上での争いが起こってしまいました。
その争いによっても、約1万人の方が亡くなりこの墓地へ埋葬されたんだそうです。
合計約4万人の方が埋葬されたこの墓地に教会を建てようとなって、建設は開始されました。その際、掘り起こされた大量の人骨。
教会ではその人骨を教会の地下に納骨堂を作って納めることにしました。
そして保管している4万人の人骨のうち、1万人分の人骨を使って礼拝堂内の装飾を施したそうです。
見所は人骨で作られた超巨大エンブレムとシャンデリア!!
こちらのエンブレムのようなもの。もちろんこちらも全て人骨で作られています。
このエンブレムは教会の後見人であるシュヴァルツェンベルク家の紋章で、内装建築を依頼した木彫家へ作らせたものです。
このように様々な部位の骨を使い、見事に芸術的な一つの作品として作り上げられています。
よーくみないと人骨だとはとても思えないほどです。
こちらは紋章の右下にあるもので、一羽の大きなカラスが兵士のしゃれこうべの左目を突いている様を表しています。
カラスはかつて戦いのシンボルだったそうです。
とはいえ...左目をカラスにつつかれるのはちょっと勘弁してほしいものですね...
このシャンデリアももちろん人骨。
このシャンデリアは人体の骨格のうち、ほぼ全ての骨が使われてるんだそうですよ。
クトナー・ホラの骸骨教会へはプラハから日帰りで!
クトナー・ホラは嬉しい事にチェコの首都であるプラハから日帰りで行ける距離にあるんです。
一番簡単な方法は列車で行く行き方になります。最寄駅はクトナー・ホラ=セドレツ。
プラハ駅から一時間に一本ほどのペースでクトナー・ホラ方面へ行く列車が出ていますので、英語が通じない場合も想定し、翻訳アプリなどでクトナー・ホラへ行きたいというのをメモしていくと良いでしょう。
列車によっては乗り換えが必要になる事もありますので注意してくださいね。
all photos by sho
このセドレツ納骨堂は、世界7大禁断の地の一つとも言われているのですが、僕は一切不気味な印象を受けたりしませんでした。
むしろ、人骨で作り上げられた数々の装飾に美しさを感じる程でした。
怖いものが苦手な方でも、こちらの納骨堂はきっと大丈夫!!
ぜひ、チェコへ訪れる際はクトナー・ホラの骸骨教会を訪れてみてくださいね!
ライター:旅丸sho