夜。時間は20時20分。そろそろ寝る時間(我が家の子どもたちの就寝時間は20時半)。
母ちゃん「こもたろ、長い針が6にきたら、寝る時間だよ」
こもたろ「えーっねたくないよう。」
成長するにつれ、いろいろとやりたいことが増えたこもたろ。こうやって、まだ寝たくないと訴える時があります。
母ちゃん「じゃあ、お絵かきをしよう。ひとつのお話を描いたら、"寝る"でいい?」
こもたろ「いいよ」
父ちゃん「こもたろ、そろそろ寝る時間」
こもたろ「まって」
この時点で、こもたろは「今すぐ寝なさい」と言われたと感じています。「そろそろ」という曖昧な表現は、こもたろには理解できない。なので「そろそろ」を省いて、「こもたろ、寝る時間」を聞き取ってしまったのです。しかし父ちゃんはこのことが分からず、こもたろの「まって」にカチン。
「だめ、待たない。早く寝る準備しなさいっ」
強い口調で注意する、父ちゃん。
こもたろ「いやだ、まだ!だって母ちゃんと約束したんだもの。この絵のストーリーを完成させてから、寝るんだって」
父ちゃん「そんなのいつまでかかるかわからないだろう、寝なさい」
母ちゃん「ちょっと待ってあげて。ちゃんと約束したから」
父ちゃん「子どもはもう寝る時間だろ」
母ちゃん「そうだけど、5分だけ待ってやって。そしたら全部書き終わるから。強制的に終わらせたら、消化不良起して後々響いちゃう」
父ちゃん「だめだ。こもたろ、寝なさい」
こもたろ「うぇぇ―――...」
仕事から疲れて帰ってきたところに、息子の泣き声。父ちゃんの声も、思わず荒くなります。
「うるさい!そんなことで泣くんじゃない!」
息子の鳴き声に火がつきました。母ちゃん脱力・・・。ああ、前々から伝えてスムーズにきていたのに。頑張ったことが、なかったことになってしまう。
父ちゃんはいつも色々と協力をしてくれます。こもたろへの接し方も、なんとか療育的なものになるよう気をつけてくれます。ただ、日によって穏やかに話を聞く日もあれば、今日のようにバッサリ切ってしまう日があり。前はよかったけれど、今回はダメ。これは自閉症児にとって、一番苦手な対応のされ方なので絶対にやってほしくない。
結局、こもたろは大泣きし、寝るどころの騒ぎではなくなり。私はこもたろにつきっきりで話をし、話を聞き、なんとかなだめて、納得させて、寝かしつけました(ああ、今夜は何度もうなされて泣くぞ......)。
父ちゃんと話をしよう。
母ちゃん「あのさ、こもたろのことなんだけどさ」
父ちゃん「?」
母ちゃん「ダメと言う前に話を聞いてやってほしい。頭ごなしにダメだと言われたら、それは納得できないよ」
父ちゃん「でも決めた時間には寝かさないとダメだろ」
母ちゃん「それはそうだけど、一日くらい寝る時間が多少遅くなったっていいじゃんって、思ってみない?」
父ちゃん「そうは言っても......」
母ちゃん「それに無理に寝かしつけると、夜中に目を覚まして泣き出したりするから早く寝かしつける意味がなくなるよ」
父ちゃん「そうなのか......」
母ちゃん「私だって子どもが言いつけを守らないことにイラッとくることはしょっちゅうだけど、気持ちにゆとりを持ちたいよね」
父ちゃん「うん。悪かった。つい感情的になったかも」
母ちゃん「わかってくれた?よかった」
~続く。
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