療育園に通っていた頃、気の合うお母さんたち数人が集まって夜に会うことがありました。各々、子どもたちは旦那さんに預けたり、自分の親に預けたりして来ます。子どもにつきっきりで気を張ってる自分へのご褒美にと、母親たちで企画した飲み会です。
療育園に通っているだけあって、みんなそれぞれ問題を抱えている子どもだったので、そんなに回数は開けませんでしたが、それでもその会はとても意味のあるものでした。悩み相談だったり、情報交換だったり、笑い話だったり...いろんな話をしました。
その中で、私が今でも鮮明に覚えていること。
みんなで将来について話している時、あるお母さんがぽつりぽつりと話しはじめました。
「私ね...自分が歳をとって、身体が思うように動かなくなってきたら...我が子に手をかけるかもしれない。そして...自分も後を追う。」
一瞬、凍りつきました。なぜなら、
私 も 一 度 は 考 え た こ と だ っ た か ら 。
今でこそ、前向きにやってきていますが、やはり息子の障がいが解ったときはどん底で。ここまで落ち込むのかと思うくらいにどん底で。毎日涙は止まらないし、何もやる気はおきないし、今まで楽しかったことも全然楽しくない。
この子に将来はあるのか。私が死んだらどうなってしまうのか。人に迷惑をかけ続けて生かせていいものなのか。もしかしたら、生活する術もなく息子は野垂れ死んでしまうかもしれない。
外に出れば、息子の癇癪に周囲の人たちに腰を折って謝りつづける日々。ひどい言葉も投げかけられました。怖かった。苦しかった。哀しかった。辛かった。
「私ね...自分の身体が思うように動かなくなってきたら...我が子に手をかけるかもしれない。」
この言葉を聞いて、思わず言ってしまいました。お願いだから、そんなこと言わないで...?涙が溢れました。私がいる。みんながいる。何かあったら、ここにいるメンバーで助け合えばいい。
そんな悲しいことは言わないで。どうかどうか、言わないで。
もしかしたら、昔の自分に言っていたのかもしれませんね。この子のためにも諦めないでって。
どうか、命だけは大切にしてください。子どもは成長し続けます。例えそれが周りの子より遅いかもしれないけれど、それでも成長しています。
「この子が不幸になる?」
「もうだめだ?」
本人がそう言ったの?
子どもの幸せを決めるのは、大人じゃありません。その腕の中にいる、子ども本人です。
キラキラ輝くその命の灯火を、
どうか消さないで。
~続く。
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