脳は癒やされ、体内エネルギーは増幅する。 - 音ヨガ最大の特徴、クリスタルボウルが持つ魔力 -

故きヨガの良さを生かしつつ、音楽という新しさを掛け合わせた、ハイブリッドな「音ヨガ」というスタイル。

ヨガ初心者にとって、最適な音ヨガという新しいスタイル。

故きヨガの良さを生かしつつ、音楽という新しさを掛け合わせた、ハイブリッドな「音ヨガ」というスタイル。

カラダを動かす際は、アップテンポな音楽で気持ちを乗せ、そしてヨガにおける最後の休止時間、シャバーサナの際はクリスタルボウルという特殊な楽器の音色を響かせます。その効果には即興性があり、ヨガで自分が変わるということを感じたい初心者には最適なスタイルかもしれません。

この音ヨガシリーズの後編では、より身体的な側面から音ヨガの効果に密着。そこには想像以上の効果性がありました。

クリスタルの音色は、脳に作用し、ストレスを低減させる効果も。

- クリスタルの音がカラダの細胞を刺激し、結果、心身ともに安定するとは、目から鱗(うろこ)の内容でした。

野村 以前、SONYでスピーカーの設計に携わっている方と話したことがあるんですが、クリスタルボウルのような楽器の音は、音が壁に跳ね返って空間の中に層ができると言われたことがあります。

クリスタルボウルから生まれる音は、音の永続性が極めて高いので、空間にずっと音が残ります。そしてクリスタルを叩くたびに新しい音が生まれ、それが重なり、いくつもの音の層ができていくんです。

そしてその層が重なり合った時、ストレスが緩和されて心身がよりリラックスし、脳からα波が出始めます。

- α波?

野村 はい、これは心身が本当にリラックスしている時や、夢中になったり、集中している時に脳から出るモノです。脳から出たα波によって、β(ベータ)-エンドルフィンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは体に絶大な効力を持つ物質で、脳を活性化させたり、ストレスを低減させたり、免疫力を高めて病気を予防する効果もあるんです。クリスタルボウル、そして音ヨガの効果性というのは、想像以上のモノがあるんです。

興奮と休止のメリハリが強まることで、ヨガの効果を実感しやすい。

- 音ヨガの特徴は非常にユニークで、ヨガ初心者にとってすごく入りやすいモノかなと感じました。

野村 僕自身、解剖学、そして鍼灸の勉強をしてきたのですが、ヨガ、そして音ヨガは自律神経を整える上で非常に効果があるなと考えています。

交感神経(カラダを興奮状態にする作用アリ)と副交感神経(リラックス状態をもたらす)、これをバランス良く刺激してあげるのが、やはり心身の健康に繋がります。ヨガの場合、リズミカルに動くので交感神経が刺激されますし、最後にリラックスする時間もありますから、副交感神経も刺激されます。

そして音ヨガの場合は、リラックスする時間にクリスタルボウルで脳までも休ませることができます。

- つまり、クリスタルボウルの音ありきでプログラムを組んでいるわけですね?

野村 そうですね。最後のリラックスの密度が普通のヨガよりも高いからこそ、オンとオフのコントラストが強くなり、結果、ヨガをした後の効果を実感しやすいよう意識しています。

ヨガを、音ヨガを通して、オフの時間をより濃いものにしてほしい。

- ここまでお話しいただき、即効性の高い音ヨガは、疲れ気味な現代人にかなり有効だなと感じました。

野村 僕の話で恐縮ですが、昔、結構アクティブな動きをするヨガをやっていたんですが、それで怪我しちゃったんです。ヨガって、本当は人をハッピーにするものなのに、おかしいですよね(笑)。

ただ、そこで気付いたんです。ヨガを教える立場として、当然怪我はしてほしくないし、せっかくヨガに出会ってくれたのなら、ヨガを通してハッピーになってほしいと。だから、僕は音ヨガをはじめたのかもしれません。

無理のない程度にカラダを動かして、その後はとことん休む。それによって、ストレスはきっと発散されます。今の時代ってなかなかオンオフがつけらないですから、夢の中でも仕事のことを考えたり、アタマが休まらない状態とかあると思います。

- たしかに、睡眠中でも休まっていない、朝起きたら、疲れているというのはたまにありますね。

野村 そんな忙しい人こそ、ヨガや音ヨガを通して、日常と切り離してあげることが大切かなと。今、瞑想が流行っているというのにもそんな背景があると思いますが、瞑想って実はとても難しくて。目を閉じて、アタマの中を空っぽにしようとすると、結局、色々考えちゃうんですよね。

ですから、ぜひ一度、音ヨガに触れていただければと思います。きっと、前日までの苦しさを忘れられ、次の日から生まれ変われるような経験ができると僕は思っています。

- 野村賢吾先生は、関東だけでなく全国各地、そして海外でヨガの啓蒙に努めています。お住まいの近くで音ヨガを体感できることも。詳しくは、Quiet timeのホームページをチェックしてみてください。

(おわり)

野村賢吾 Kengo Nomura

17歳の頃、サンフランシスコに留学してスケートボードに明け暮れる。ヒザの怪我を機にやむなくスケートボードから少し離れ、ヨガに興味を持ち始め練習をスタートさせる。

解剖学的知見からの緻密な練習方法と自由で創造性豊かなビンヤサヨガをベースに"動的瞑想"という独自のスタイルを提唱。ヨガで感じる頭の中の静けさを"音"で表現する『音YOGA』を鎌倉で主宰。photo by Masahiro " Lai " Arai ( SunTalk / LUZeSOMBRA )

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