1000万回のアプローチ機会を損失?!東京都がどれだけTwitter(SNS)で宝の持ち腐れをしているか、数字で説明してみた

オリパラ準備局アカウントが28,000人超えという宝の持ち腐れ感がある。フォロワーを獲得するのがどれほど大変なことか...

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本日はオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会が行われました。

...といっても今日は例の「四者協議」については報告事項を聞くだけで議論はできず、質問できるのは21日までお預け。

資料要求などの質疑準備に一定の時間がかかることはわかりますが、この周回遅れ感は本当になんとかならないものだろうか...と思いつつ、本日質疑が行われたのは「ボランティア戦略案」について。

東京2020大会に向けたボランティア戦略(案)

9万人以上のボランティアを集めるという勇ましい目標を掲げているこの計画。質問順序が最後となる私は、広報戦略でニッチな部分について質問をしました。

そう、都のSNS活用についてです。

総務委員会の質疑でも繰り返し指摘してきていることですが、東京都のSNS発信体制は非常に貧弱で、俗な言葉で言えばあまりやる気が感じられません。

例えば今回、このボランティア戦略の立案にあたって、パブリックコメントを幅広く募集しておりました。

「東京2020大会に向けたボランティア戦略(案)」について(意見募集)

都が行うパブリックコメント(意見募集)は多くの場合、応募件数が一桁や二桁に落ち込んでいまして、結局のところ

「決定する前に、幅広く都民の声を聞きましたよ!」

という言い訳づくりのためだけに行われているのではないかとの指摘は、多くの人からなされているところです。

そうならないために、多くの人々にまずパブリックコメントが募集されていること自体を知らしめなければならないわけですが、今回のパブリックコメント募集にあたってなんと、オリンピック・パラリンピック準備局のTwitterアカウントは、一度たりとも募集に関する投稿をしていませんでした。

(62名のフォロー数に対して、28,000人超のフォロワーがいる優良アカウントです)

これで果たして、真剣にパブリックコメントを集めようとしたと言えるのでしょうか?

結果として今回のパブコメ募集は、これだけ都政や東京五輪が注目を集める中にもかかわらず、応募者はわずかに70名とのことでした。...9万人のボランティアを集める目標なのに!

「たかだかTwitterで告知しなかったくらいで、そんな大げさな...」

と思われる方は多いと思いますし、それが大半の都職員の意識だと思いますので、28,000人超のフォロワーを持つオリパラ準備局アカウントがいかに宝の持ち腐れをしているのかを解説してみたいと思います。

何か比較に適したものはないか...と思案していたら、偶然にも私のアカウントのフォロワー数が28,000人ちょっとでほぼ同数ではないですか!

もちろんフォロワーの属性にもよりますが、まずこの28,000人というフォロワーを獲得するのがどれほど大変なことか、下記の図を見て欲しいと思います。

私が都議会議員に当選した直後の2013年、フォロワー数は2000人にも満たない状況でした。

Twitterをスタートしてからの投稿回数は2万回超、都議になってからの3年間だけで1万1千回以上のつぶやきを投稿しまして、ようやくこの28,000人という数字に到達したわけです。

つまり一般的なTwitterユーザーからすれば、28,000人なんて数字を持っているのは羨ましすぎる!それを活用しないなんて、もったいなさ過ぎる!!という状態ですよ。

次に、ではこの28,000人という数字の持つポテンシャルです。これだけの基礎フォロワーを抱えて、真面目に情報発信をすればどうなるでしょうか?

同じく28,000フォロワーの私のアカウントの最高記録は、月間一千万インプレッションです。

※インプレッション=他のユーザーの目に触れた回数を表すTwitter指標

これは都知事選挙の時のピークだったので例外としても、直近三ヶ月を見るとインプレッションはだいたい400万~600万の間で推移しています。

これだけのポテンシャルがあるにもかかわらず、パブリックコメント募集などにおいてTwitterなどのSNSツールを一切活用せず、当たり障りのない情報のみを発信し続けているのが都のTwitter運用の実情と言えます。

繰り返しになりますが、もったいない、実にもったいない!

パブリックコメントの募集告知についてはあくまで一例ですが、わかりやすく運用マインドが出ている一例と言えます。

そしてボランティア戦略のために今年3月に解説された専用サイトも、SNS拡散ボタンなどの機能が一切ついていない、非常に行政らしいシンプルな作りとなっております。

東京ボランティアナビ

ボランティア意識を高めて参加者を募るために重要なのは、何より「共感」の輪を広げていくことです。

それにもっとも適したツールは、まさに様々な情報やそれに触れた感想を「シェア」していくSNSの存在に他なりません。

最近は議会答弁でも

「若年層に向けてSNSなどを活用していく」

というようなことには触れられるものの、どうにもFacebookやTwitterを開設することで満足し、止まってしまっているような気がしてなりません。

HPのコンテンツに「拡散」用のボタンをつけるなど、有機的な運用を行い、またLINEなど若年層に最も浸透しているツールの導入なども不断に検討していくべきではないでしょうか。

...というようなことを委員会で質問している私は、本日も全力で浮いておりました(苦笑)。

しかしながら、「何をやっているかわからない」都政の情報発信力を高めていくためには、地道な改善が欠かせません。

オリパラ準備局に限らず、都庁全体に向けても引き続き、政策提言をしていきたいと思います。

それでは、また明日。

(2016年12月6日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)

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