こんにちはー。縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。
名選手が名コーチとは限らないというのは有名な話ですよね。
それっぽい理由を付けるなら、上手な人ほど初心者の気持ちが理解しにくくて教えることに向かないのだとか。たしかに自分ができることと教えることは全くの別物です。
ただ意外と盲点なのが名コーチとはいえど、教えること全般に優れているとは限らないこと。
というのも教える対象によって教え方も方法も違うからです。とくに本気で練習したい人に教えるのと、モチベーションを高めるところからスタートするのでは手法もやり方もまるっきり違うんです。
モチベーションのスタートが大きく違う
たとえば近所に少年野球やスイミングスクールがあったとします。これらに参加する人って既にモチベーションが高い人ばかりなんですよ。そうじゃきゃ月謝を払って休日を潰してまで参加してきません。
こうしたモチベーションの高い人達には、それにあった指導法があります。誤解を恐れずに言えば無理をさせられるんです。
どんなスポーツ種目や分野でも、地味な練習や基礎練習は欠かせません。素振り50回とか、外周3周とか、モチベーションの無い人にとってはやりたくもない作業でしかありませんよね?
でも上手になりたい!もっと試合で結果を出したい!!と強く動機づけされてる人なら、多少なり練習が辛くても目標に向かって頑張れる。必要とあればコーチの言葉を信じてトレーニングに黙々と打ち込んでくれるんです。
ところがその他一般の人はそうはいきません。
まずは基礎となる素振り50回から始めましょう!なんてワークショップ、誰も参加したくないですよ。基本が大切なのは理解していても、ツマラナイ練習なんて求めていません。一般の人が求めているのは「楽しいなぁ」という体験なのです。
すると教え方の方向性もガラッと変わってきますよね。
種目の魅力を抽出できるか?が大切
忘れてはいけないのが、世の中にはあなたが真剣に取り組んでる種目に興味のカケラもない人が大勢いるということ。彼らにあなたと同じ情熱をぶつけても横滑りするだけです。
まずは興味を持ってもらうこと、その上で徐々に熱を出していくこと。さらにモチベーションを維持できるような内容を提供すること。
ここで求められるのはだと思うのです。あなたの教えてること、どの瞬間が一番こころ踊って楽しいのさ?をかき集めてきて、目の前の集団に提供する。
上手になりたいモチベーションが既にある集団とは違い、世間一般の人々には指導中の駆け引きが必要なのです。
おわりに
縄のまっちゃんは小学校で縄跳び教室をしていますが、ヤル気のある子もいれば、まったく興味が無い子もいます。この意味では小学校の子ども達も世間一般の人々と同じです。
ある程度上手になれば楽しさが分かるよ!!も理解できます。でも人々はせっかちなんですよ。ある程度上手になるまでの「基礎をやる時間」をすっ飛ばして、上澄みだけでも楽しさの部分を味わいたいんです。
名コーチは選手やチームの個性を見抜き、専門的な知識をベースに効率的な上達方法を教える人です。
一方で、こうした「楽しさの上澄み」をどうやってかき集めて提供できるかが、名講師たる条件ではないでしょうか。
(2016年6月11日「なわとび1本で何でもできるのだ」より転載)