円安の影響もあるとは思うのですが、ここ最近、渋谷に外国人観光旅行者がすごく増えています。
スクランブル交差点で記念写真を撮っているシーンはもうお決まりになったし、裕福そうな東南アジア人がドンキホーテで日本のお菓子を大人買いしているのも普通の風景になりました。
僕は渋谷でbar bossaというワインバーをしているので、手ぶらで歩いている「近所感」があるせいか、そんな外国人観光旅行者によく道を聞かれます。
でも、渋谷の道って本当に難しいんです。
渋谷は、周りに代官山とか青山とかの山があって、道玄坂とか宮益坂とかの坂で降りてきて、渋谷駅が谷底ですり鉢状になっています。
そしてその渋谷の街中もオルガン坂とかスペイン坂とか、あるいは宇田川という川に覆いをのせてある緑道とかそういう自然の細い道がくねくねしてて、「ワンブロック行った先の角を左に」というような説明が出来ないんです。
それで、僕は「そっちに行くから途中まで一緒にいこう」とか言うんですけど、すごく喜んでくれるんですね。
外国人観光旅行者がそういう「ちょっとした迷ったり、現地の日本人との交流」を旅の楽しみとしてとらえてくれても良いのですが、そろそろオリンピックも近づくんだし、英語や中国語のネット上の渋谷地図があっても良いんじゃないかなって思うんです。
そして、その地図に外国人が好きそうなお店を紹介したら良いんじゃないかなって思います。
例えばお寿司屋さんってどこが良いんだろうって外国人は悩みますよね。そしたら、「ここは回転寿司だけど美味しいよ」とか「ここはおまかせで1万円くらいだけど英語わかるよ」とか色々紹介できます。
あと、たぶん外国人男性は「エロネタ」を東京に求めてると思うんですよね。例えば、大人のおもちゃの店が道玄坂の方にあるのですが、白人男性が「おお、ここだここだ!」みたいな感じですごく嬉しそうに入っていくのをみかけたことがあるんです。そういうのも紹介するんです。
あるいは確実に外国人に喜ばれるお店っていうのもあって、例えば僕は外国人の友人が渋谷に来たら、必ずロス・バルバドスさんというアフリカ料理のお店に行くって決めてるんです。絶対にはずさないんです。そういう外国人が喜びそうなお店の紹介って渋谷を案内する日本人も助かると思うんです。
あとはたまにbar bossaに来店する外国人で「今からどこか良いライブが楽しめるお店ない?」って質問されることがあるんですね。
ご存知のように、夜の9時頃に言われて「じゃああのライブハウスが良いよ」なんてことって結構日本では無理ですよね。日本の場合はフラっと行って楽しめるライブハウスってわけじゃないんです。でも、ライブハウス側としては席が空いてるんだったら、そういう観光旅行中の外国人にも来てもらうのもウエルカムだと思うんです。で、そういうライブハウスとかクラブとか音楽が楽しめるお店も紹介して、その場で空席があるかどうかもわかって、ワンクリックで予約も出来たりすると便利じゃないかなと思います。
あと、みなさんも外国に行って経験しているとは思うのですが、「なんでもない僕らの日常」を経験できると外国人観光旅行者って喜んでくれるんですよね。一度、まんだらけの袋を持ったオタクのフランス人4人組が富士そばの前で入ろうかどうしようかすごく悩んでいるのを見たことがあって、ああ、結局彼らは富士そばに入るのは怖くて、マクドナルドなんかにしちゃったかなあ、「ここ、良いお店だよ。注文が心配なら僕が一緒に入ってあげようか」って言えば喜んだんだろうなあとか思ったわけです。
そういう牛丼屋とかラーメン屋とかの入り方とか注文の仕方とかも英語でガイドすると喜んでくれると思うんですよね。
そういう英語、中国語、韓国語、スペイン語サイト、今から用意すれば良いような気がしています。
bar bossa 林伸次
著書「バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?」http://goo.gl/rz791t