「オレオレ詐欺」の電話の撃退法というのがあるらしくて、かかってきたら最初に「この電話の会話内容は録音されます」っていうのを流すと、まず詐欺目当ての人はその場で電話を切るらしいんです。
あと、「いらないダイレクトメール」の断り方というのもあるらしくて、その封筒を未開封のまま、赤字で「受取拒否」と書いて、押印か署名をして、郵便ポストに入れると、その会社に返送されて、さらにその郵送代もその会社が払わなきゃならないので、次回からはまず送ってこないそうなんです。
なるほどですよね。
迷惑なことと言えばお店にかかってくる様々な営業電話というものがあります。
僕は渋谷でワインバーをやっているのですが、「当社のインターネット・サービスを使って、あなたのレストランをみなさんにもっと知ってもらいませんか?」というたぐいの電話にすごく困っているんです。
例えばお客様とワインについて話しているときにあの電話がかかってきたとします。
ご存知かどうか、あの電話、結構しつこいんです。切ろうとしても「ちょっとだけ聞いて下さい」とかなんとか、引っ張ることだけに情熱をかけている人とかいるんです。
で、こちらとしては、最終的に「すごくネガティブなエネルギー」を使って「切りますね」って言わなきゃならないんです。
そのネガティブな行為の後で、さっきまでの接客に戻ろうとしても、どうも正常になれないんですよね。
もう何とかしてあれを断ち切ろうと思って、「今、何か電話番号のリストを見ながらかけてると思うんですけど、うちのお店のところに『二度とかけないで』ってチェックしといてもらえますか」っていうのを何度か言ったのですが、全然、効果ゼロなんです。
それで最近思いついた方法があって。あの電話、一番最初に「オーナーの方か店長の方はいらっしゃいますか?」って言うんですね。
その言葉、結構「?」だと思いませんか? 「失礼」と言うかおかしいですよね。普通、電話に出た人に用件を伝えて、その用件がオーナーしかわからないような内容なら、「オーナーに代わりますね」というのが筋だと思うんです。
というわけで、あの「オーナーの方か店長の方はいらっしゃいますか?」と言われたら、「結構です」と言ってすぐに電話を切るという作戦に出ようと思っています。
bar bossa 林伸次
著書「バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?」http://goo.gl/rz791t