米食品医薬品局(FDA)は19日、遺伝子組み換え操作をして自然界での生息より速く、大きく成長するサケを、食品として販売することを承認した。現在世界中でさまざまな遺伝子組み換え作物が栽培されているが、食用のために飼育されている動物の承認は世界でも初のケース。
このサケは米バイオベンチャー企業のアクアバウンティ・テクノロジーズ(本社・米マサチューセッツ州メイナード)が開発した。米国などで食用として捕獲、消費されている大西洋サケに、成長が速いことで知られるキングサーモンの成長ホルモンの遺伝子を組み込んだ。栄養成分は自然界の大西洋サケと変わらない上、少ない餌で天然の大西洋サケの倍の速さで大きく成長し、食用として生産効率が高い、という。
FDAは同社から提出されたデータを長期間詳しく分析し、安全性のほか栄養や環境影響などの面でも問題はない、と結論付けた。同社は、現在カナダとパナマの陸上施設で遺伝子組み換えサケを養殖しており「食べても安全で、養殖場も限定しているので海の生態系に影響することはない」と強調している。
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遺伝子組み換え作物としては、害虫に強いトウモロコシや大豆などが広く栽培されているが、多くは飼料やインスタント食品用。最近FDAは遺伝子組み換えリンゴを承認し、今回動物として初めて遺伝子組み換えサケを承認したが、消費者団体や環境団体からは反対の声が出る可能性がある。
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・2015年1月30日「植物は害虫からの防御に葉緑素も活用」
・2007年7月10日レビュー「遺伝子組み換え食品で日本の消費者も選択迫られる?」