こんにちは、数学・教育ライターの鍵本です。
よく「何を考えてこんなパズルを作ってるのか」というご質問を聞かれますが、ここで簡単にお答えしたいと思います。
パズルがとても教育に効果があることは、多くの教師が感じているのではないかと思います。そこで、高校生に数学を教えている立場として、そして出版業界に近い者として、パズルを開発しようと考え付いたのが2年前の話です。
参考にしたのは、世界的にブレークしている「数独」、私が学生にもよく薦める宮本算数教室の「賢くなるパズル」、そして「百ます計算」です。それぞれ私が注目してる特徴があります。
「数独」は楽しくて、論理力の練習になります。しかも問題の作成がそこそこ簡単です(いい問題を作ろうとすると、自分で解いてみる時間が必要なのでそれなりに大変なのですが)。世界的に流行した理由はそうした点にあると思います。ただし「数独」は足し算や引き算という概念が基本的に出てこないので、算数というよりもまさに「論理」を鍛えるパズルだということができます。もしも算数の計算の概念を「数独」に入れることができたら...というのが「三角パズル」開発の動機だといえます。
そういう意味で、宮本算数教室の「賢くなるパズル」の素晴らしい部分は、面白くて算数の概念が盛り込まれていることです。ブロックの部分のヒントの数字をかけ算にしたり足し算にしたり、場合によっては引き算や割り算も混ぜることで、とても楽しくパズルを解くことができます。小学生に人気なのもよくわかります。ただし、宮本哲也先生が作り出すパズルはすごくよくできていて、現場の小学校の先生がいきなり問題を作成するのは若干難しいように思われます。
問題作成の手間という意味で、世間の先生にとても評判が良いのは「百ます計算」ではないかと思います。なぜなら、先生が適当に数字をタテヨコに並べるだけで生徒に解かせる問題を作成できるのですから、こんなに素晴らしい「ゲーム」(パズルと呼ぶのははばかられます)は、現場の先生にはない、と言っても過言ではないのです。ただし、論理を鍛えるというようりは反射神経を強くするためのものだと思います。
要するに、これらすべての要素を含んだパズルを開発したいというのが、私の今回のパズルの開発意図です。
すなわちもう一度まとめると、三角パズルには次のような利点があります。
・解いてて楽しい、論理力の練習になる
・足し算の代わりにかけ算や最小公倍数など、演算を変えることで色々な算数の力をつけることが可能
・現場の先生でもそれなりに簡単に問題を作ることができる
いかがですか?
さて、そんなわけで今回も簡単な問題と難しい問題、合計2問出題します。難しい問題では周りの数字が抜けている場合がありますので、注意してチャレンジしてみてくださいね。 解答は下のほうのリンクをクリックしたら出てくるようにしておきますので、解けたら答え合わせをしてみてください。
それではいよいよ問題です!制限時間はあくまで目安です。
問題(5) 制限時間3分
問題(6) 制限時間7分
解答はこちら。