韓国の旅客船沈没事故の誤報と事故を喜ぶ人

『ハフィントンポスト』に掲載されていた민용준(ミン・ヨンジュン Elle Korea フィーチャー・エディター)氏の「旅客船沈没事故で恥をさらした醜悪な韓国メディア」という記事が久々に見た良記事だったので、これについて少し。

『ハフィントンポスト』に掲載されていた민용준(ミン・ヨンジュン Elle Korea フィーチャー・エディター)氏の「旅客船沈没事故で恥をさらした醜悪な韓国メディア」という記事が久々に見た良記事だったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 できれば元記事にあたって直接ご覧いただきたいので、概略だけとさせていただきますが、珍島沖で起きたセウォル号沈没事故を巡る韓国メディアについて言及したものです。

 「アメリカのケーブルテレビHBOの連続ドラマ『ニュースルーム』」を引用しつつ、今回の韓国メディアの報道について批判をしております。

 「旅客船に計477人の乗客が乗っており、修学旅行の高校生325人もいて、その客船が沈没した」という第一報が流れた後に、「午前11時ごろには生徒がすべて救出されたというニュースが生徒の親に伝わ」りました。

 「しかしすぐに事実でないと報じられ」、「行方不明者数は発表ごとに変わり、乗客の数さえも不明確」となりました。

 「政府の統計だけが問題だった」のはなく、「各メディアの速報レースもめちゃくちゃ」で、「正確な情報より迅速なニュースが重要だった」ことが今回の騒動の原因としています。

2 メディア

 今回の記事は韓国メディアについて苦言を呈しているわけですが、同じようなことがテレビ番組のネタとして存在しているということは、こうした傾向は韓国だけではないことを意味します。

 もちろん人なので、誤りを起こさない人はおらず、誤報というのはどうしても出てくるわけですが、確かにこうした報道に振り回せた方々のことを思うと、もう少しどうにかならなかったのかと考えずにはおられません。

 韓国というとインターネットの発達などがすぐに思い出されます(韓国が他国に優っている10項目とその欠点)。インターネットの発達に伴い、瞬時に情報が飛び交うことが可能となり、結果マスコミにも速さが求められるようになりました。

 今回の誤報騒動も各メディアが速さを競った結果という側面もあるわけで、物事には必ず長所と短所があるという話かと思います。

3 様々な視点

 インターネットの発達により、私のように個人でも情報発信ができるようになった結果、これまでのマスコミとは異なる視点による情報発信が可能となってきました。

 それはそれで大変素晴らしいことで、ネットを活用すれば、いろいろな見方があることを知ることができます。

 ただ、いろいろな意見が存在するとういうことは、中にはどうかと思うものも存在するわけで、今回の事故でも韓国に対しざまあみろ的な意見も存在します(【ざまぁ】韓国の大型船舶沈没事故をお祝います【天罰】)。

 以前、東日本大震災で日本が大きな被害を被った際に、「日本沈没」などと言える中国人((震災に対する中国の以前と同じ論調のコメント)や、「地震で死んで下さい」などという韓国人(震災一周年に日本人の死を願う韓国人とそれに対する中国人の感想)には嫌悪感しか抱きませんでした。

 今回同じ日本人として、こうした感想を抱く方々がいるということ自体とても情けないことだと思います。

4 最後に

 念のため補足しておきますが、人間なので、いろいろな感情があるのは当然だと思いますし、韓国に対して正直、あまり良くない感情を持っているのは私も同じです。

 ただ、私が問題にしているのは、それを意見として、表に出すのはどうかという話です(性的マイノリティへの偏見や差別をなくすにはどうしたらよいか)。

 仮に嫌いな人がいたとして、その人が不幸な目にあったときに、その人に対して「ざまあみろ」などというのは人としてどうかという話で、そのようなことを行う人を他人がどう思うかそれを考えてもらえればと考えているにすぎません。

(2014年3月23日「政治学に関係するものらしきもの」より転載)

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