想像してほしい。病気の妻とお腹をすかせた子どもを抱えて避難生活を送っているあなた。しかしもし薬か食糧のどちらか1つしか買えないとしたら、あなたはどちらを選ぶだろうか。
戦闘を逃れ、3人の子供と命からがら乗り込んだ避難用ボート。しかし、そこにライフジャケットが1つしか残されていなかったとしたら?そしてあなた自身が、その場でどうするか選択をしなければならないとしたら?
世界中で今まさにこの瞬間も、そんな残酷な「究極の選択(Impossible Choices)」を強いられている人々がいる。実に1億2,500万人もの人びとが、いのちを繋いでいくための人道支援を必要としているのだ。
人びとがそんな「究極の選択」を強いられずに済むようにするためには、今何が求められているのだろうか。その答えは、5月23日と24日にトルコのイスタンブールで開催される、史上初の世界人道サミットにある。
世界人道サミットでは、各国政府や援助関係者、民間企業のリーダーなどが一堂に会し、国際社会全体としてもっと効果的な人道支援を実現していくため、必要な方策が議論される。
その世界人道サミットを後押ししようと、俳優のマイケル・ダグラスやダニエル・クレイグなどが立ち上がった。新たに公開された動画を通じて、世界人道サミットで各国のリーダーが必要な具体的行動を約束できるよう、私たち一人ひとりにも協力を呼びかけている。
オーストラリアの若手ミュージシャン、コーディ・シンプソンや名優フォレスト・ウィテカーなども出演し、何よりも人道理念を最優先させなければならないと訴えている。そして私たち一人ひとりにも「究極の選択」を迫っているのだ。
この動画はSNSキャンペーンとも連動している。まずはキャンペーン特設サイトimpossiblechoices.orgにアクセス。そこで、「究極の選択」の幾つかを体験できる。
矢継ぎ早に英語で質問を投げかけられる中、選択に与えられた時間はわずか10数秒。タイムアウトになると、勝手に1つを選択されてしまう。かなりのストレスの中で、言わば生きるか死ぬかの選択を迫られる訳だ。
しかしこれは、現実に起こっていることの疑似体験に過ぎない。同じような思いを実際にしている人びとを一人でも減らしていくため、私たちに出来ることは何か?このキャンペーンサイトから、それぞれ自国の政治指導者にアクションを取るよう求めるツィートが出来る。
紛争に巻き込まれた若者が立ち上がれるように。そして家を追われた子どもたちでも教育を受けられるように。数百万人もの生命が、世界人道サミットの成果にかかっている。
ぜひあなたにも「究極の選択」を体験して欲しい。そして世界の人道危機を終わらせるため、世界人道サミットの行方にも注目して欲しい。
世界人道サミット(日本語:OCHA神戸事務所ウェブサイト):http://goo.gl/Rlro88
OCHA神戸事務所フェイスブック:https://www.facebook.com/OCHAKobe
世界人道サミット(英語):www.worldhumanitariansummit.org
Impossible Choices(英語):www.impossiblechoices.org