開幕まであと30日となった2月5日午後、ソチパラリンピック日本選手団の結団式と壮行会が、東京都内のホテルで開かれ、主将・森井大輝(アルペンスキー)、旗手・太田渉子(クロスカントリースキー/バイアスロン)をはじめとする選手20名、スタッフ30名がソチへの決意表明を行った。
はじめてパラリンピックで団長を務めることになった荒木雅信氏は、スポーツ心理学が専門。スポーツでは大阪体育大学のクラブ活動でバスケットボールをしていた。冬季競技はスキーコーチを努める腕前。結団式で、「とくにアウトドアのスポーツは、ライバルとの闘いだけでなく、自然、自分と闘わなくてはならない。試合前に動悸がする、天候条件が厳しいなど、コンディションがよくないことが多くあり、選手がその中で力を出し切ることができるよう、支えていきたい」と話した。
また、文部科学大臣・下村博文氏は「今年から、パラリンピックは厚労省から文科省になる。2020年・東京の成功は、パラリンピックの成功がかぎとなるだろう」と祝辞の中でのべた。
■ 壮行会
壮行会へは安倍総理が駆けつけ「昨年、ブエノスアイレスで2020年の東京開催が決定し、成田真由美選手と抱き合って喜んだ」と、パラリンピック金メダリストとのエピソードを語り、選手団を激励した。
会場で歓談する中に、陸上400mハードル日本記録保持者の為末大選手がいた。ソチでNHKキャスターを務める為末は「パラリンピックのほうが、インパクトがある」と、パラリンピックを伝えることへの期待と意欲を語った。
壮行会後の記者会見に4名の選手が出席した。記者からは「あと30日の課題は?」「メダル以外の目標は?」との質問があった。
主将・森井大輝は「チェアスキーの滑りを見てほしい。競技の楽しさを伝え、後輩を増やしたい」と話し、チームメートで、バンクーバーパラリンピック金メダリストの狩野亮は「ただの障害者のスポーツではなく、スキーレベルの高さ、スポーツの楽しさを知って欲しい」と、競技の楽しさに大きな自信をみせた。
旗手でクロスカントリースキー/バイアスロンに参加する太田渉子は「感謝の気持ちを伝えるレースをしたい」と話し、先輩で、バンクーバーで金メダル2個を獲得した新田佳浩は「世代交代が課題、うまくつなげていきたい」と話した。
ソチまであと30日。この週末、クロスカントリー/バイアスロンの選手たちは、2015年にIPCワールドカップ・クロスカントリースキーの開催地となる旭川で、ジャパンパラ・クロスカントリースキー大会に出場する。
アルペンスキーチームは、ソチ直前となるイタリア遠征にそなえ、最後の合宿にはいる。
(2014年2月6日「Paraphoto」より転載)