レスター、奇跡のプレミアリーグ優勝で約234億円の経済効果

レスターの「奇跡の優勝」がクラブにどれだけの経済効果を与えるのかを調査してみました。

クラブ創設から132年目、レスターが初めてプレミアリーグを制覇し、奇跡の優勝と言われています。日本代表の岡崎慎司選手がFWのレギュラーとして活躍しているため、日本でも大きく報じられました。

レスターは昨シーズンは14位と残留争いをしており、今季も残留が最大の目標といったクラブでした。プレミアリーグはクラブ間の資金力の差が大きく、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、チェルシーといったビッグクラブは選手の人件費に2億ポンド(312億円)前後もかけています。

しかし、レスターはその1/5程度で、人件費ランキングも下から数えたほうが早いような状態です。それだけの戦力差をひっくり返しての優勝だけに「奇跡」と呼ばれるのでしょう。ちなみにレピュコムが調査したユニフォームスポンサーの金額でも、レスターはマンチェスター・ユナイテッドの1/5程度です。

今回、レピュコムではこの「奇跡の優勝」がクラブにどれだけの経済効果を与えるのかを調査してみました。

レスターが優勝で得られる臨時収入は1億5000万ポンド(約234億円)と推定されます。内訳はプレミアリーグの優勝賞金、来季出場できる「UEFAチャンピオンズリーグ」の放映権料の分配金、チケットや関連グッズの増収などです。

また、これ以外にも来季のスポンサー契約金の値上がりや、イングランド以外のファンの増加による市場開拓も見込まれています。アルジェリア代表のマフレズ選手の活躍で、アルジェリア人のファンが増加したり、ラニエリ監督の出身イタリアやオーナーの出身国タイでも、レスターの人気が高まっています。

英国ではレスターの1試合ごとの視聴者数が、78万5000人から100万人以上と30%近くも増加し、イタリアではラニエリ監督の影響もあり、2倍に増加しています。メディア価値としては世界で30%、アメリカでは70%も増加し、既存だけでなく、新規のスポンサーにその価値を証明できるようになりました。

そして、UEFAチャンピオンズリーグのグループステージでは、平均4200万人がプレミアリーグのチームの試合を視聴しており、レスターとスポンサーにとって大きな価値になるでしょう。

レピュコムのイギリス支社長であるスペンサー・ノーランは「レスターの商業的価値はオフシーズンでさらに明らかになっていくでしょう。優勝したレスターに対して、スポンサー企業が契約を巡って競争するからです。来シーズンのスポンサー料の増加が見込まれます」。

試合で夢の様な物語を作ったレスターですが、オフシーズンのスポンサー営業でも夢の様な話をたくさん聞くことになるでしょう。

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