hiranokeiichiro
「死刑になりたいとは思いませんし、死刑になりたくないとも思いません。生かされているうちは生きますし、殺されるときには殺されます。それだけの話です」。獄中でこの文章を書いた加藤智大は、翌年、死刑が執行された。
自分を助けてくれるのは、あまり読まれていないし翻訳もされていない遠くの文学作品かもしれない━━。アカデミズムの名門、コレージュ・ド・フランスの教授と、小説家の平野啓一郎さんが、文学のこれからについて語り合った。
「これまでどこか日本特有の問題だと思っていた自己責任論が、能力主義の観点から整理された」。対談相手として登場した小説家の平野啓一郎さんは語った。
小説家の平野啓一郎さんが聞き手を務めた60分の白熱対談。その内容を【全文公開】します。
60分に及ぶ白熱した対談の記録を公開します。
10月13日(水)夜8時から。マイケル・サンデル教授と小説家・平野啓一郎さんの対談を配信いたします。「あなたがしんどいのは、あなたのせい」という考え方が社会に巣食っているのはなぜなのか? 考えていきます。
時代設定は2040年代の近未来の日本。主人公の朔也は、「自由死」を望みながらも事故死した母親の「本心」を探ろうと、高度な技術を用いて母を「バーチャル」に再現し対話を試みる。「人間の心とは一体何なのか?」という問いを読み手に何度も突きつける作品だ。
「敢えて単純化すると、日本は褒めない文化、自慢しない美徳がある」と平野さん。褒められにくい私たちは、いかに自己肯定感を保つことができるのだろうか。
「カッコいい」とは何か、という問いについて、そろそろ本気で議論しなくてはならないのではないか。