単層上皮は過剰な細胞を押し出しにより取り除いている。今回B Ladouxたちは、細胞単層内のトポロジカル欠陥が存在する部位で細胞が押し出されるという、純粋に機械的な経路を報告している。著者たちは、上皮を活性なネマチック液晶としてモデル化し、細胞の押し出しが、細胞の配向のひずみによって誘導される応力によって引き起こされることを明らかにした。
押し出しのホットスポットは、パターンのある単層のマイクロコンタクトプリンティングによって欠陥を幾何学的に誘導することで制御できた。また、応力局在のメカノトラスダクション効果を調べることで、細胞死に関連するシグナルが、このような圧縮応力の存在する部位で誘発されることが分かった。さらに、細胞間の接着複合体を操作して細胞-細胞間の相互作用を減弱させると、欠陥や押し出しの数が増加した。この知見は、トポロジカル欠陥の数は配向弾性と逆相関すると予測するネマチック理論と一致している。
Nature544, 7649
2017年4月13日
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doi:10.1038/nature21718
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