これまでの抗マラリア薬は、主に天然物か「ドラッグライク」な合成化合物に由来するものだった。今回S Schreiberたちは、天然物によく似た化合物のライブラリーのスクリーニングを行って、マラリア原虫(Plasmodium)に対し非常に強い活性を示す有望な低分子を発見した。
特に興味深いのは、マラリアの新しい標的であるフェニルアラニンtRNAリガーゼを阻害する二環式アゼチジン類である。肝臓ステージのマラリアのヒト化マウスモデルなどのさまざまなマウス感染アッセイから、この二環式アゼチジン類をマウスに単回低用量投与することで、全ての生活環段階のマラリア原虫の感染から治癒させられることが明らかになった。これらの化合物を使えば、単回経口投与でマラリアが治癒し、伝播を防げる可能性がある。
Nature538, 7625
2016年10月20日
原著論文:
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doi: 10.1038/nature19804
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