「ヘルスケア産業」を活性化しよう

昨年(2013年)12月、厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」が公表され、糖尿病人口が950万人に増加していたことが明らかになった。幸い、糖尿病の予備群については1100万人と5年前の推計(1320万人)より若干減少し、明るい兆しも少しは見えたが、全体としてはまだ楽観できる状況ではない。

昨年(2013年)12月、厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」が公表され、糖尿病人口が950万人に増加していたことが明らかになった。幸い、糖尿病の予備群については1100万人と5年前の推計(1320万人)より若干減少し、明るい兆しも少しは見えたが、全体としてはまだ楽観できる状況ではない。

昨年2月に内閣官房に設置された健康・医療戦略室が同年6月にまとめた「健康・医療戦略」の中で、「健康寿命延伸サービスの創出」は重点分野の1つに位置づけられた。また、その実際のスキームを議論する次世代ヘルスケア産業協議会も昨年12月から始動し、今年1月24日に閣議決定された「産業競争力の強化に関する実行計画」の中でも、「健康寿命の延伸」が「戦略市場創造プラン」関連としてしっかりと位置づけられた。

上図はそのコンセプトの表した図であるが、要すれば、生活習慣病全般に関して「病気になってから治療する」のではなく、「疾病の予防にもっと力を入れる」という考え方であり、その「力の入れ方」のひとつとして、「ヘルスケア産業」という分野をビジネスとしてきちんと育てていこう、ということである。

現代の生活スタイルの中にあっては、「生活習慣病の予防」に社会も個人ももっとリソースを割り当てて行かねばならないことは(残念ながら)明白であり、様々な形での健康啓発活動と並んで、ビジネス分野としてもこうした取り組みが社会に根付き、さらに成長していくことで、「健康寿命の延伸」が本当に実現されていくことを期待したい。