こんにちは。ムコ多糖症ママ会です。
ママがケーケリンの異変に気づいて総合病院に行ったのは、1歳2か月の時。
新米ママが、いえベテランママでも、ムコ多糖症を早期発見するのは簡単なことではありません。
日本に300人しかいない超稀少難病ムコ多糖症。お医者さんでさえ、なかなかその病名は出てきません。
だからこそ、この一人を見つけて頂きたい!
ムコ多糖症を新生児マススクリーニングで生まれてすぐに見つけてあげれば、酵素補充療法や造血幹細胞移植(骨髄移植・臍帯血移植など)で病気の進行を予防する手立てが既に存在しています。
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さい帯血移植を乗り越え長い入院生活からめでたく退院し自宅に帰れたケーケリン。感染症などに注意を払いながら、元気に通園施設に復帰。移植の効果が成長として表れてきていると言ってもよいのではないでしょうか。
さい帯血移植や骨髄移植は、麻酔が効いている間に終わるような形の一般的な手術とは異なり、本人にとって大変苦しい状況が続きます。その移植にわずか4歳の小さなちいさなケーケリンが、生きるために挑みました。
ムコ多糖症1型治療薬アウドラザイムはドラッグ・ラグ(海外と日本との治療薬承認の時間差)があったものの2006年から日本でも使えるようになっています。
しかしながらケーケリンもまた他のムコ多糖症の子どもたちが辿ったように、生まれてすぐに診断がついたわけではなく1歳を過ぎ症状が進行してからからようやく診断されました。
先天性であり、進行性であるムコ多糖症。毎週病院に通い、治療薬投与を受けていました。細い血管はなかなか点滴のルートが取れず、ケーケリンとドクター、そしてママは注射針の刺し直しとも一生懸命闘っていました。そんなケーケリンが、頸椎後方徐圧固定術(椎弓形成術)、ママの出産、最後のさい帯血移植を乗り越えました!
そして!さい帯血移植後の成長を実感している毎日です。ケーケリンも骨と関節をはじめそれ以外にも効果を期待できる「ポリ硫酸ペントサンナトリウム」の一日も早い創薬を願っています。
ムコ多糖症1型ケーケリン日記「ちょっとでも一人で出来るように」
小学校までカウントダウンの始まったケーケリン。少しでも自分で出来る事を増やそうと、児童デイサービスでの給食の時間は、とってもとっても工夫を凝らしてもらっています。
ある日のお食事風景...。握力の弱い彼のためにバンドを使ってスプーンを手に留めてもらっています。お皿は百均のタッパーを斜めに切って作ってもらっています。そのお皿も、三角形の木を台にして傾斜をつけてもらっています。
どれをとっても、ケーケリンがちょっとでも一人で出来るように、という細やかな配慮が感じられて、本当に有難くて涙が出そうです。
これだけやって頂いても、なかなか思うようには進まないのですが、彼のヤル気は少しずつアップしているように思えます。
人は一人で生きてはいけないものですが、彼は本当に周りの方に助けられて生きているんだなあ、と思います。きっと私自身もそうだったはずなんですが、ケーケリンが生まれてより一層その有り難みを感じます。
ケーケリンが受けた恩恵を、ケーケリン自身が他の人に返せる日が来ますように。
ケーケリンとママ
(2016年03月04日「ムコネットTwinkle Days 命耀ける毎日」より転載)