もんじゅに停止命令へ!いっぽう、各地の原発は再稼働にむけて準備を着々と...?

今回の命令は、メディアによって「禁止命令」「停止命令」などいろいろないいかたが使われているけれども、要するに「ちゃんと安全管理できるようになるまで、原子炉もんじゅを使っちゃダメ。再稼働の準備もしちゃダメ」というもの。けっして、これで「廃炉」とか「研究中止」というわけではないのね。サラリーマンさんでいえば「出勤停止」とか「謹慎」みたいな感じ。

ついに、ボク高速増殖炉もんじゅに対して正式な停止命令が出されることになったの。「もんじゅはあぶない」「やめろ」と折りにふれていってきてくださったみなさんには、厚く御礼申し上げますだよ。

東京新聞『もんじゅ 来月活断層調査 使用停止を正式決定』2013年5月29日 13時56分

点検漏れ問題では、昨年十一月に重要機器も含め一万点にのぼる漏れが発覚。今年二月の規制委による立ち入り検査でさらなる漏れが見つかった。機構の幹部らの間で安全を軽視する姿勢も確認されたことから、規制委は二十九日、原子炉等規制法に基づく使用停止命令を出すことを正式に決めた。

機構には弁明の機会も与えられたが、「深刻に受け止める」などと、弁明しないことを規制委に文書で報告していた。

この問題では、既に機構の鈴木篤之前理事長が辞任した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052990135630.html

今回の命令は、メディアによって「禁止命令」「停止命令」などいろいろないいかたが使われているけれども、要するに「ちゃんと安全管理できるようになるまで、原子炉もんじゅを使っちゃダメ。再稼働の準備もしちゃダメ」というもの。

けっして、これで「廃炉」とか「研究中止」というわけではないのね。サラリーマンさんでいえば「出勤停止」とか「謹慎」みたいな感じ。

ただ、以前からボクのおしりの下には「活断層があるんじゃないか?」という指摘がなされてきていたの。それに対してボクのパパのJAEA(日本原子力研究開発機構)は「えっ、あれは活断層じゃないよ」「たぶん、あれは動かないと思う」とつっぱねてきたんだけれども、それについても今回、規制委員会の調査が入ることになったの。もしこれで正式に活断層だ、という結論が出れば、いっきに廃炉の可能性は高くなるんだよ。

同じく東京新聞『もんじゅ 来月活断層調査 使用停止を正式決定』

原子力規制委員会は二十九日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の敷地内の断層が活断層かどうか、外部の専門家チームによる現地調査を六月中旬~下旬に実施することを決めた。

専門家チームは、富山大大学院の竹内章教授、千葉大大学院の宮内崇裕教授ら四人で、規制委の島崎邦彦委員長代理がまとめ役を務める。六月十三日に事前会合を開く。

ボクもんじゅは、冷却材にお水ではなく、ナトリウムという「空気にふれただけで燃えだして、水をかけられると激しく爆発しちゃう」物質を使っているんだ。そのうえ、ふくいち君をはじめとするふつうの原発にくらべると、配管が薄くて華奢なんだよ。

だから、地震が起きて配管が破れてナトリウムが漏れだしたら、それだけで火事になっちゃうの。じっさいに、1995年には配管が破れたことでナトリウム漏れ火災事故を起こしているんだよ。

そんなわけで、ふくいち君のようなふつうの原発よりもずっと危ないんじゃないか、といわれているボクもんじゅ。もし真下に活断層があるなら、ますますこわいよね。

そして、ボクに停止命令が出ることになったいっぽうで、こんなニュースも。

NHK『高浜など4原発 運転再開向け7月申請へ』5月28日 4時15分

NHKが原発を持つ電力会社10社に取材したところ、少なくとも4つの原発が、運転再開に向けて、ことし7月に新基準に基づく申請を行う計画を進めていることが分かりました。

計画を進めているのは、関西電力が福井県にある高浜原発の3号機と4号機、四国電力が、愛媛県にある伊方原発3号機、九州電力が鹿児島県にある川内原発の1号機と2号機、それに北海道電力が泊原発の1号機から3号機で、合わせて8基です。

4つの原発以外にも、九州電力が佐賀県にある玄海原発の3号機と4号機について、早期の申請に向けた準備を進めているほか、日本原電は、規制委員会が「原子炉の真下を走る断層を活断層」と判断した、敦賀原発2号機について、時期は明らかにしていませんが申請するとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/k10014885831000.html

安倍政権になって、民主党時代に決まった「原発ゼロをめざす」というエネルギー政策は根本からみなおすとか、原発の輸出を強化していくといった方向性がうちだされているよね。そういった状況のなかで、ことしの7月に原子力規制委員会が策定することになっている「再稼働のための新基準」がかたまりしだい、電力各社は再稼働の申請を国に出すつもりでいるみたいなの。

そもそも新基準がスムーズに決まるのかどうか? また、新基準にあわせて各原発がさまざまなハードルをクリアすることができるのか? というギモンもあるし、じっさいに審査にあたる原子力規制庁は「審査には1基あたり半年から1年ほどかかる」とはいっているから、すぐに動かせるものではないわけだけれども、ちかい将来また再稼働が話題にのぼることはまちがいなさそう。

夏になれば「原発がないと夏がのりきれない」、冬がくれば「原発がないと冬がのりきれない」というおきまりのフレーズをまたきくのかと思うと、ちょっと気分が萎えちゃいますだね。

(この記事は、2013年5月29日の「もんじゅ君のブログ」より転載しました)

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