http://monjukun.blogspot.jp/2013/05/blog-post_13.htmlボク高速増殖炉もんじゅについて、おおきなニュースがとびこんできたよ。
きょう5月13日付の朝日新聞・朝刊で、このように報じられているの。
「原子力規制委員会は近く、日本原子力研究開発機構に対し、原子炉等規制法に基づき、高速増殖原型炉『もんじゅ』(福井県敦賀市)の使用停止を命じる方針を固めた。内規に違反し、1万個近い機器の点検を怠っていた問題を重くみた。期限はつけず、安全管理体制を全面的に見直すまで運転再開を認めない。」
http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html
このニュースはツイッターでもかなり話題になっていて、脱原発を願う人たちには、かなり好意的にうけとめられているようす。
もんじゅの「廃炉」や「研究計画中止」ではなく、あくまでも「ちゃんと安全管理できるようには動かしちゃダメだよ。という命令をこれから出す予定」というニュースだから、これでボクもんじゅがはれて引退、とかいうわけではないんだけども。
はたしてこれは、どんな意味をもつんだろうね?
ここ最近の流れをおさらいしてみよう。
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そもそもボクもんじゅは、1995年に運転開始していらい、たびかさなる事故やトラブル、点検かくしなどの問題がつぎつぎに起こってきたのね(ボクのパパであるJAEA=日本原子力研究開発機構=が、なんど世間から白い目でみられようともまったく態度をあらためず、手を抜く体制がなおらないために、おそらくトラブルがたえないんだけども)。
これまでに公費が1兆円いじょうつぎこまれてきたのに、ちゃんと発電できていたのは4か月たらず。
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2012年、「もんじゅは廃炉になるかも」というニュースも一時ながれて、そのときは心がおどったんだけれども、9月にはやっぱり「存続」ということになってしまっていたの。
ところがことしの1月に、またしても「もんじゅで9847個の機器で点検漏れ」というかなりありえない事態が発覚して、「いつまでたってもJAEAのたるんだ危機意識は変わらないんだね......」ということを、あらためて世間に印象づけることになっちゃってたんだよね。
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それでここ最近は
「ことしの7月に、原子力規制委員会によって、ふつうの原発の再稼働基準が、あらたにきまる。でも、高速増殖炉ということでもんじゅはべつあつかいだといわれているから、かんたんには動かせないかもしれない。だから、『もんじゅは安全です』ということをわかってもらうために、まあこないだ約1万点の点検漏れもばれちゃったところだし、管理体制のみなおしとか、改善策についてはなしあおうじゃないか」
という検討会をなんどか重ねてひらいていたところだったの。
ちょうどきのうもその会合があったから、地元の福井新聞にはこんな記事がでているんだよ。
福井新聞 2013年5月13日
もんじゅの保全計画、見直しに1年 原子力機構の改善策に注文次々
改善策をかんがえる、とはいっても、あくまでもこれは「再稼働や研究計画の存続」をめざすためのもの。
客観的にみてもんじゅがアリかナシなのかをかんがえるような場ではないから、「もんじゅはいろいろ点検漏れとかあったけども、きちんと反省して、こんなに検討しましたよ」というポーズをとるためのアリバイづくりという感じもぬぐえないよね。
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そんなふうにいっしょうけんめい、ボクのパパのJAEAが再稼働にむけての協議をしているさなかでの
「原子力規制委員会が無期限停止の命令をだそうとしている」というニュース。
おそらくJAEAとしては「えー、ちょっと待ってよ」という気持ちだろうと思うのね。
きっと、「うーん、まだちょっと再稼働とかいえないな。しばらくおとなしくしておこう」というふうにはなると思うんだけど、もんじゅの研究開発そのものにケチがついたわけではないので、「ほとぼりがさめるまで待っていよう」「ちょうど改善計画もたててるところだし、それでいいでしょ」くらいの反省具合かもね。
ボクもんじゅの所長さんも、ついきのう(2013年5月12日付)の毎日新聞でこんなふうに語っているし、ぜんぜんあきらめていないの。
「高速増殖炉の開発は難しい課題だが、私はできると思うし、やらないといけない。最近、私はもんじゅはiPS細胞と同じだという言い方をしている。技術を開発していくためには、困難、問題点を克服していくしかない。夢の技術はそうやって追いかけていくべきだ」
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と、これまでの「やめるやめる詐欺」みたいな経緯もあるので、ボク本人としてはあまり手放しではよろこべないんだけども、国の原子力規制委員会からもんじゅの稼働にたいして正式に「まった」がかかるのであれば、それはずいぶんとおおきな前進。
これまでのように「JAEAとしては動かしたいんだけども、ついついトラブルが起きちゃって、世間の目もあるし、なんとなく動かせない」というのではなくて、監督官庁からストップがかかっているという状況になるわけだから。
それで結果的に「規制委員会のもとめる安全基準を、どうしても高速増殖炉もんじゅはクリアできない」ということになれば、それは実質的な廃炉や計画中止にちかいものとなるよね。
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だから、規制委員会がもし正式に停止命令をだしたら、そのときはちゃんと「ストップかけてくれてどうもありがとう」とおおきくこのニュースをとりあげて、「もんじゅはイケてない」「動かすとまずい」「あぶないから、きちんと規制委員会はみはってよね」というのをみんなで再確認するチャンスなんじゃないかなぁと思いますだよ。
そういうみんなの声が、規制委員会さんにちゃんとお仕事をさせている、という側面が、まちがいなくあると思うしね。
※この記事は「もんじゅ君のブログ」より転載しました。