地球のはるか遠くの宇宙で、孤独に、観測を続ける宇宙探査機たち。
そんな宇宙探査機たちが最後にカメラを向けた写真です。
はやぶさ、最後の写真
小惑星の砂を採取して地球に帰還するという歴史的偉業を成し遂げた、JAXAの小惑星探査機"はやぶさ"が最後に撮影した写真。
image by JAXA 宇宙科学研究所電気推進工学研究室
7年の宇宙航海を終え、地球への大気圏再突入をする直前の2010年6月13日22時02分、最後のミッションとしてはやぶさは地球を撮影しました。
写真は5〜6枚撮影されましたが、地球が正常に写っていたのは、最後の1枚だけ。
写真の下部が欠けているのは、地上に写真を送信中に通信途絶となったためです。
このあとの大気圏再突入で本体は燃え尽きましたが、小惑星の砂をちゃんと持って返ってきてくれました。
ボイジャー1号、最後の写真
ペイル・ブルー・ドットと名付けられたこの写真は、宇宙探査機"ボイジャー1号"が最後に撮影した地球の写真。
image by Wikipedia
この写真は太陽から約60億キロメートル離れたときに撮られたもの。右側の茶色の帯の中にある小さな青白い点が、地球です。
ボイジャー1号は1977年に打ち上げられたあと、まだ運用を続けている"地球から最も遠い距離に到達した人工物体"です。今は太陽系を離れて、広大な星間宇宙へと旅を続けています。
地球を含めて太陽系の各惑星を撮影したあと、まだ続く星間航行のため、カメラの電源が切られました。
ボイジャー1号から見た最後の太陽系全景写真はこちら。
image by Wikipedia
ボイジャー1号は原子力電池を搭載し、2025年頃まで稼働し続けられる予定です。
様々な観測装置を搭載し、現在も太陽系の外側、未知の星間宇宙を生身で観測しています。
いつか電池が停止し、何も観測できなくなるそのときまで、はるか遠くから私たちにデータを送り続けているのです。
去年1月時点で太陽から約184億キロメートル離れた宇宙を航行。現在も秒速約17キロメートルで遠ざかっています。
最後に観測するデータからは、どんな宇宙が見えてくるんでしょうか?
地球を写した最後の写真。
不思議と探査機たちの言葉を感じるのでした。
(2014年6月3日 未来スコップ「宇宙は広く、孤独。宇宙探査機たちが最後に写した、地球の写真が語る」より転載)