セクシャルマイノリティーに関する用語の多さ
あまりにも多すぎて、正直、嫌気がさすこともあります。すべての用語についてしっかり説明できる人ってどのくらいいるんでしょうか?そして、ひとつひとつの用語の認知度や使用頻度ってどのくらいなんでしょうか?
本記事では、その中でもトランスジェンダーに関する用語についてわりとポピュラーなものをトランスジェンダー当事者のの筆者が解説していきます。きっと読み終わる頃にはお腹いっぱいになっているはずです。
トランスジェンダーは総称にすぎなかった...
トランスヴェスタイト(TV):社会的・身体的なトランスは望まないが、異性装をする人
トランスジェンダー(TG):外科的な治療は望まないが、ホルモン治療はする人
トランスセクシャル(TS):外科的な治療をして、社会的にも望んだ性で生きる人
性同一性障害(GID):心と身体の性別に違和感を抱える人
FtM:女性から男性へ性別移行を望む人
MtF:男性から女性へ性別移行を望む人
Xジェンダー:男性や女性ではない性を望む人(中性、無性)
その他にも、ニューハーフ、おなべ、おかま、オネエなどがありますね。中には差別用語もありますが、当事者がポジティブな意味合いで自称することもあるので載せておきました。
いわゆる『トランスジェンダー』という言葉は、これらの用語に当てはまる人たちの総称として使われています。なので、正直なところトランスジェンダーの人に出会ったときに『心と身体の性別に違和がある人』とは分かっても、「あれ?見た目が女性らしいから、MtFの人?もしくは治療をしていないFtMかな?」といったように、女性として接したらいいのか男性として接したらいいのか混乱してしまう人もいるかもしれません。
自分をカテゴライズする苦悩
余談ですが、ぼくは初めてトランスジェンダーについて調べたときに、自分はどの用語にあてはまるんだろう?と悩みました。「TGなら手術はしないし、TSなら最後まで手術をするのか。どうしようかな。」といったように、自分の気持ちや意志ではなくて用語に自分を当てはめようとしていたんです。うまく当てはまらなくて「自分はおかしいのかも...」と苦悩してしまうこともありました。
現在は、トランスジェンダーと自称することが多いですが、以前はGIDやFtMと自己紹介することもありました。そのカテゴリーにしっくりくるからではなく、相手に伝わる言葉を使えたらいいという理由です。
最優先すべきは、用語ではなく、「自分色」
たくさんある用語の中で、もしかしたらぴったりハマるものもあるかもしれませんが、あえてそういったカテゴリーに当てはめなくてもいいんです。性のあり方が非常に多様であるなら、自分色があって当然いいのです。
もし、接する相手の性別がわからなかったら、まずは性別に焦点を当てるのではなく相手の言動に気を配りましょう。関係を築いていく中で、相手がどう接して欲しいのかが見えてくるはずです。
意外と見落としがちですが、既存の用語やカテゴリーに惑わされないことって、とても大事なことですね!
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