LGBTにも地域格差があるって本当!?
みなさんもご存知の通り、大規模なLGBTのパレードや同性婚が話題になる場所のほとんどが都市圏です。テレビや書籍などのメディアでも都会に住むLGBTに焦点が当てられることが多いですよね。
当然のことながら、地方にもLGBTはいます。ただ、置かれている状況には明らかな違いがあるように感じます。都会と地方のLGBTが置かれる環境の格差を知ったら、「こんなにも違うものか」とため息が出てしまうかもしれません。
ぼく自身は地方出身でありながら東京や大阪には何度も訪れており、都市部の当事者との関わりもあるので、そこから感じたことを挙げてみます。
情報と人が溢れている都会
新宿二丁目をはじめ、都会にはLGBTが集えるようなエリアやお店や大きなコミュニティーがあります。LGBT関係のイベントもさかんに行われていて、『当事者間の情報交換や共有もばっちり!』という感じです。セクシャリティー不問のコミュニティーもあれば、【トランスジェンダー限定】などのコミュニティーもあり、限定といっても一定数の人数が集まるのが都会のすごいところですね!
公共機関や民間団体、大学のサークルなどにもLGBT支援を掲げているところが多くあり、自分らしく生きるためにはとても良い環境が整っている印象です。ぼくが都会で出会った方々もほぼオープンリーで生活しており、支援側としてアクティブに活動している方もいらっしゃいます。
しかし、情報や人の波に流されてしまったり、はじき出されてしまったりすることもあるかもしれません。都会の中にいても、一番重要なことは【自分自身はどう生きたいのか】だということを忘れないでいたいですね!
情報も人も限られている地方
地方=田舎とは言い切れませんが、田舎では近所付き合いや地域のコミュニティーの結束が堅い伝統的な日本の文化が残っています。「女の子なんだから、もっと可愛い服装したらいいのに」なんて服装にまで近所のおばさまの助言があったり、「あの歳でまだ結婚しないなんて、何か問題があるんじゃ?」と根も葉もない噂がすぐに広まってしまったり。また、田舎の一部では『同性愛は都市伝説』『LGBTは都会にしかいない』といったような言説が少なからず残っているように感じます。...完全に情報が不足していますね。
田舎特有の生きづらさを感じて悩んでいる当事者が大多数だと思います。支援団体やオープンリーに生活している当事者も少ないために、当事者間の情報や悩みの共有もほとんどできないのではないでしょうか。『自分に合ったコミュニティーを探せる都会』と違って、地方ではコミュニティーも限られています。もし、そのコミュニティーから外れてしまったら孤立してしまいます。そのため不登校や無職や欝など、抱えている問題も多いように感じます。
【自分らしく生きる】ことへの大きな壁がある印象がある地方です。しかし、「地方はLGBTは住みづらいから、都会に行こう。」と地方から出てしまうのはもったいないのではないでしょうか?壁が大きいからこそ、可能性も秘めていると個人的には感じています。
地方発の可能性
元々、都会でも地方のような問題があって、長い時間をかけながら都会に合った方法で問題を解決しようと試みてきたはずです。なので地方での問題解決は不可能ではありません。現在、地方で孤軍奮闘している方もいらっしゃいます。これから沢山の人材が地方に集まれば、地方の可能性や面白さも広がるかもしれません!
地方には都会にはない独特な良さがあります。
その良さを最大限に引き出しながら、『日本一LGBTが住みやすい地方』を目指したいものです!