世界ポリオ・デー:ポリオ根絶に向けた日本の支援

毎年10月24日は世界ポリオ・デーだ。ポリオワクチンを開発し世界の多くの子どもの命を救ったソーク博士の誕生日だ。テーマカラーは紫。これは、ワクチンを受けた子どもの爪に紫の染料を塗って接種の記録にしたことから始まっている。

毎年10月24日は世界ポリオ・デーだ。

ポリオワクチンを開発し世界の多くの子どもの命を救ったソーク博士の誕生日だ。

テーマカラーは紫。これは、ワクチンを受けた子どもの爪に紫の染料を塗って接種の記録にしたことから始まっている。

天然痘は1980年に根絶された。ポリオは、人類史上2つ目に根絶できる病気なのだ。

感染症の根絶はとても難しい。ポリオは、1988年には125カ国で流行していた。しかしそれは多くの人々の努力で制圧され、感染者数は1988年当時に比較して99%減った。

最も制圧が困難であると見られていたインドでは、2011年1月以降、ポリオ野生株症例及びポリオウイルスが発見されておらず、インドはついに常在国を卒業した。

ここまでやったのだから、もう良いではないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、ポリオを世界から完全に根絶しない限り、一度根絶した国でもポリオが再流行する可能性がある。実際に一度根絶を宣言した国での再流行の事例が散発している。

これまでの国際社会の努力が水泡に帰すことのないよう更なる国際的努力が、今求められている。

現在一番ワクチン接種が難しいと言われているのが、パキスタンとアフガニスタン国境などの紛争地域だ。根絶のためには、この地域のすべての子どもたちにワクチンを打たなければならない。そこで大事なのは、その地域の人々からの絶対的信頼だ。

こうした地域では、日本の信用度がとても高い。だからこそ、2011年に、日本は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(ゲイツ財団)と連携し、パキスタンのポリオ根絶のための革新的円借款パートナーシップを実施した。

予防接種の目標が達成されればゲイツ財団がパキスタン政府に替わって債務を日本に返済する仕組みである。この場合パキスタン政府にポリオ感染を根絶する経済的なインセンティブが生まれる。成功への強力なインセンティブを組み込んで、命を救う活動に新しい資金を引き入れた画期的な方法だ。

これまでにパキスタンでは非常に良い成果が出ており、2011年から2013年9月までにパキスタンのポリオ発症数は約8割減少している。日本とゲイツ財団はこの革新的な手法を、ポリオ常在国であるナイジェリアにも適用することを検討している。

こうした努力からポリオ根絶の日は確実に近づいている。

注目記事