文書通信交通滞在費の自主公開へ・・・議員立法も提出!

政治家は誰しも、口先では「良いこと」ばかりを言う。選挙の時は特にそうだ。しかし、それが信じられる、信用できるかどうかは、こうした「我が身を切る改革」に率先して取り組む政党、政治家か否かという点も重要だということを、是非、国民の皆さんにはご理解いただきたいと思う。
時事通信社

 小渕経産大臣の「政治と金」問題が大きくなっているが、法律で一円単位の領収書が求められ、公開の義務もある「政治資金」(政党や政治資金管理団体等の金)ですら、この体たらくだ。

 ましてや、月々100万円、年1200万円もの税金が、領収書もなく公開もされず使われている「文書通信交通滞在費」(政治家個人の金)については、尚更のことだろう。直接のきっかけは、例の「号泣県議」や「逃げ惑う県議」の「政務活動費」の不正使用だったが、維新の党は、そうした問題意識で、また、これまでの反省も込めて、他党から賛同を得なくても、この10月分から率先して、その自主公開に踏み切ることにした。

 ただ、この「文通費」については、過去の経緯をいくら調べても、国会法と歳費法に一条ずつアバウトな条文があるだけで、確たる使途や費目についての定めがない。また、政党助成金や立法事務費等との制度的棲み分けもされていない。だから、議会事務局や総務省にも問いただしてみたが一向に埒が明かないのだ。

 そうした極めて不分明な中での、「試行錯誤の公開」「全党全議員公開へ向けての暫定的な公開」なので、不十分、不完全な点もあることをご容赦いただきたいと思う。他党は公開すらしていないのだから。

 その意味での「パブリックコメント」も、今、維新の党のホームページ上で求めている。こんな経費は入れるのはおかしい、逆に、こんな経費は良いのでは、といったご意見があれば、どしどし出してほしい。

 維新の党は、これと並行して、できれば今週中には、議員立法で「文通費の使途公開義務」を明記した法案を提出するつもりだ。こうした公開は、維新だけでなく全党全会派でやってこそ、国民にとっては意味がある。それが税金で賄われている「経費」である限り、民間会社なら当たり前のようにやっていることだし、「経費」だからこそ、貰っても税金がかからない金でもあるのだから。

 しかし、相変わらず、自民党をはじめ他党は反応がにぶい。谷垣自民党幹事長などは「適正に使っている」の一点張りだ。従来、比較的改革派と目されていた若手政治家までが公開には消極的なのだ。しかし、適正に使っているのなら公開しても何の問題もないはずだ。にもかかわらず、公開できないのはやましいことがあるからと批判されてもしょうがないだろう。

 ましてや、この4月から消費税は8%に上がり、12月初旬には、さらに10%への再増税を決定すると言われている。社会保険料も上がり、震災増税も続く中で、国会議員だけが「既得権益」の「ぬるま湯」にのうのうと浸かっていて良いわけがない。「身を切る改革」というが、この程度のこともできずして、国会議員が国民に負担増を求めるなどあってはならないことだろう。

 どころか、この5月からは国会議員の歳費は満額支給に戻った。大震災の財源にするため、また、自民、民主、公明三党で消費増税決定時に約束した国会議員の定数削減が実現するまでの間、歳費2割カットを続けていたのに、与党自民党や民主党までが賛成に回って歳費を約束違反の「満額支給」に戻したのだ。当時の自民党・石破幹事長などは「若手政治家は生活困窮者」とまで称して、それにこだわった。維新の党(当時は日本維新の会と結いの党)は、逆に「3割カット法案」を提出したが「多勢に無勢」、巨大与党等の「ごり押し」に屈するしかなかったのだ。

 政治家は誰しも、口先では「良いこと」ばかりを言う。選挙の時は特にそうだ。しかし、それが信じられる、信用できるかどうかは、こうした「我が身を切る改革」に率先して取り組む政党、政治家か否かという点も重要だということを、是非、国民の皆さんにはご理解いただきたいと思う。

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