自分が住まう街での地域デザイン「こすぎの大学」(その7)~ポッポッポッと灯す地域デザイン

「どうして、こんな活動をしているの?」と言われた時はショックだった。お金を支払ってでも活動を続けたい。

僕が住まう街、神奈川県川崎市。

その川崎市で急速に再開発が進む街、武蔵小杉。僕は、武蔵小杉で2013年9月から「こすぎの大学」というソーシャル系大学を仲間と企画・運営しています。

「こすぎの大学」は、毎月第2金曜日の夜、武蔵小杉に住んでいる・勤めている・関心のある方々が集う"学び舎"です。毎回、武蔵小杉に関わりのある方が"先生役"として登壇し、武蔵小杉での活動事例や想いを語っていただき、その後、"生徒役"である参加者同士が対話を通じて武蔵小杉の魅力を再発見すると同時に価値創出につながるアイデアを共創します。

小学校のように4時限の授業形式でワークショップを進めることで、オトナがコドモのような純粋なキモチで街づくりを楽しむ、それが「こすぎの大学」です。

開校して3年が経過したこともあり、2016年12月には3周年記念イベントとして「武蔵小杉とこすぎの大学」をテーマにして、もう一度聞きたい授業アンケートで上位3名に選ばれた先生役に登壇していただき、「こすぎの大学」を通じた地域デザインの魅力や可能性をパネルディスカッション形式で語っていただきました。

-「こすぎの大学」に 先生役で登壇する前と登壇した後での生活の変化は?

登壇した後、ママ友以外の地元の友だちが一気に増えた。趣味や興味で語れる友だちができたことのうれしさ。

「真鍋さんでもできるんだったら、私にもできる」というように多くの方々に感じてもらって、コミュニティ活動が増えることを願っている。

-コミュニティ運営を通じての楽しさや苦労は?

小池淳一さん (「こすぎ朝学」主宰)

「こすぎ朝学」をスタートしてからイキイキしていると言われるようになった。そして、自分自身が好奇心旺盛だということに気づいた。 好きでやっているので苦労はない。

ワクワクが大きくて、イベント当日は早起きするくらい(笑)。今は、良い意味で慣習化できてチカラが抜けるようになった。

「どうして、こんな活動をしているの?」と言われた時はショックだった。今は、その人に「どうして活動しないの?」と問いたいくらい。お金を支払ってでも活動を続けたい。

白倉正子さん (トイレ研究家)

facebookで「今日もトイレ」で1日1投稿に挑戦中。自分なりのトイレ修行だったんだけど、繋がっている人が世界のトイレの写真を送ってくれたりする。ソーシャルメディアが情報収集だけでなく、人との接点になっている。

「臭いものにはフタをしろ」でなく、「臭いもののフタは開きたい」という好奇心に溢れた人と繋がれるのが楽しい。

ー武蔵小杉のコミュニティに感じてること

末永大二郎さん (コワーキングスペース「You+」運営)

小さなコミュニティが緩やかに繋がっているのは、とても心地よく、健全な環境だと感じている。自分の興味や関心をテーマに小さなコミュニティを立ち上げてもらうと、さらに武蔵小杉は楽しくなっていくはず。

真鍋靖子さん

「こすぎトラベラーズサロン」を立ち上げたもう一つの理由は、自分の住む街を良くしたいから。ただし、思っているだけでは実現しない。みんな一人ひとりの小さな思いが「ポッ、ポッ、ポッ」と灯って、幸せのともし火を紡いでいき、安心で幸せな街にしたい。

パネルディスカッションを通じて浮かび上がった「小さなコミュニティが緩やかに繋がる」「一人ひとりの小さな思いが紡がれる」というキーワードを踏まえて、小さなコミュニティを増やすために「こすぎの大学」の部活動を参加者全員でアイデア出ししました。

そこで出てきた様々な部活の数々のアイデア。

「こすぎの大学」参加者の方々がステキなのは、アイデアをその場限りにしないでアクションに繋げるということ。アイデアの一つ、自転車で街を散策する「ポタリング部」が、新年早々、1月3日に開催されました。

武蔵小杉がある川崎市中原区には「川崎七福神」があります。「こすぎの大学」を主宰している僕も噂レベルでしか知らず...。

当日はオトナとコドモが一緒になって、自転車でコミュニケーションを楽しみながら約3時間をかけて、大楽寺→無量寺→大楽院→西明寺→東樹院→宝蔵寺→安養寺の順番に巡りました。

写真は、川崎七福神の御朱印。

4年目を迎えた「こすぎの大学」は月一の通常授業に加えて、部活動もスタートさせることで緩やかに繋がる小さなコミュニティを増やしながら、自分たちが住まう街「武蔵小杉」をさらに楽しんでいきたいと思います。

グループ発表「2017年にスタートさせたい部活動」

●おしゃべり部

色々な活動をされている方々がたくさんいる。お互いの活動を認めう関係性を構築する。ルールは2つ。「一人だけで話さない」「相手を批判しない」

●リベラルアーツ倶楽部

何でも楽しむ部活。かわさき色輪っか、街歩き、手品、山歩きなど何でもO.K.。テーマごとに部長も変わる。

●こすぎミステリー発見ツアー部

街歩き、散歩やポタリング、中原区の方言などを調べることで中原区や武蔵小杉の歴史を探究する。地元の知らないを知ることは楽しいはず。

●写真部

台湾の観光旅行、バトミントンを楽しむ姿など、武蔵小杉という場所に加えて、武蔵小杉に関わる人たちを撮影して残していく。

●あなたも変態でだいじょうぶ!

バラバラのように見えて共通のキーワード「美味しいものを食べる」。個性溢れるテーマだけど、美味しいものを囲みながら集まると自然と楽しめる。

●ぬりかべ新聞2016年12月号「新聞部」

2016年に続いて2017年も武蔵小杉を記録して発表していきます!

「こすぎの大学」ホームページ・facebookページ

注目記事